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来年2019年は日本各地でラグビーのワールドカップが開催される。

ウィキペディアによると、「夏季オリンピック、FIFAワールドカップとともに、世界3大スポーツイベント」だ。

日本でもそろそろ盛り上がってきているようだけれど、おそらく普段ラグビーを見ない方々が思っている以上に、ものすごく大きなイベントで、世界中からたくさんの人々が、日本各地に観戦に訪れる。

その上日程は、9月20日金曜日の東京スタジアムの日本対ロシア戦に始まり、11月2日土曜日の横浜国際総合競技場で行われる決勝戦まで、6週間を超える長い期間だ。

2011年にはニュージーランドでラグビーワールドカップが開催されたけれど、国中がものすごい熱気に包まれていたし、人々の生活にも影響があった。その年は、小中高校の春休み期間がワールドカップの日程に合わせて変更されたりして、国中を上げてのお祭りだった。

来年2019年日本開催の参加国は以下の20カ国だ。

– アイルランド
– アルゼンチン
– イタリア
– イングランド
– ウェールズ
– ウルグアイ
– オーストラリア
– カナダ
– サモア
– ジョージア
– スコットランド
– トンガ
– ナミビア
– ニュージーランド
– フィジー
– フランス
– ロシア
– 南アフリカ
– 日本
– 米国

そして会場は以下の12都市だ。

– 札幌ドーム
– 釜石鵜住居復興スタジアム
– 熊谷ラグビー場
– 東京スタジアム
– 横浜国際総合競技場
– 小笠山総合運動公園エコパスタジアム
– 豊田スタジアム
– 東大阪市花園ラグビー場
– 神戸市御崎公園球技場
– 東平尾公園博多の森球技場
– 熊本県民総合運動公園陸上競技場
– 大分スポーツ公園総合競技場

開催期間が6週間を超え、日本を含めて20カ国のチームが参加し、札幌から大分まで12都市での開催で、しかも全試合を通してチケットの総販売枚数が180万枚と聞くと、その期間に日本にいらっしゃる方は「興味がないし、私には関係ない」と言ってはいられないだろう。

来年9月に入ると、アイルランドからも、アルゼンチンからも、ウルグアイからも、サモアからも、トンガからも、フィジーからも、ニュージーランドからも、南アフリカからも、たくさんの人達が日本各地に滞在する。

中には、日本に行くのは生まれて初めてという人もいるだろうし、海外旅行自体もほとんど行ったことがない人もいるかもしれない。もちろん日本語でのコミュニケーションはできないし、英語さえ通じない人もたくさんいるだろう。

熱狂的なラグビーファンは、大会期間中ずっとサポートチームと一緒に移動するという人もいるし、できる限りたくさんの試合を観戦する、というファンもいるだろう。長期滞在の人は、キャンパーバンを借りて移動しながら滞在することも多いし、バックパッカーズホステルを泊まり歩く人もいるだろう。

そして、滞在地ではショッピングもするだろうし、飲食もする。観光地にも行くだろうし、各地で暮らしている日本の人達と接する機会も多いだろう。

経済効果は莫大だ。でも、いろんな文化や習慣を持った人達が大勢、そして長期間、その上、日本各地に滞在するのだから、普段と違うことがたくさん起る。

海外から日本に来たラグビーファン達や、彼らと接する日本の人達が、戸惑うかもしれないことを以下にまとめてみた。

<バーでビール>
ラグビーファンは、試合が終わるとみんなでバーでビールを飲んで試合について語り合うことが多い。夜の試合なら会場から「レストラン」に行くのではなく「バーでビール」だ。時間によっては、試合前からビールを飲んで、そのまま会場にみんなで向かう。そんな習慣をそのまま期待して来るラグビーファンもたくさんいるだろう。

<アルコール>
日本では、ビールや日本酒、ワインなどアルコールが、コンビニでも自動販売機でも比較的気軽に買える。年齢認証されることもあるようだけれど、例えばニュージーランドの15歳の人で日本の人から見ると20歳以上に見える人もたくさんいる。そんな時には、IDの提示を求めるのか。

<禁煙>
日本では飲食店でもまだ喫煙できるところが多い。例えばニュージーランドでは、室内は飲食店でも完全禁煙だ。また、スタジアムやビーチなど、公共の施設内や近辺でも禁煙が徹底している。「ほとんどのところで禁煙」というのがあたりまえの人達からすると、ふと入った飲食店で隣の席の人がたばこを吸っていて、「あっ、禁煙じゃないんだ」と気づくこともあるだろう。そうなってから、店を出るという人もいるかもしれない。

<ホテルは満室>
大会期間中は試合が行われる都市の宿泊施設は取りにくくなるだろう。大分や札幌の会場収容人数が約4万人、静岡県のエコパスタジアムが約5万人、大阪花園が2万4千人、そして、東京が5万人、横浜は7万2千人だ。試合前日や当日は、多くの人が会場近辺に宿泊するだろうから、ホテルや宿泊施設は満室のところが多くなるだろう。

<国際免許でレンタカー>
国際運転免許証でレンタカーを運転する人も多いだろう。レンタカーも借りにくくなるだろうし、普段左ハンドル右側通行の国で運転している人もいる。もし、日本と同じく右ハンドル左側通行の国だとしても、細かい運転ルールは国によって違う。そんな人達がその期間レンタカーで日本全国を移動するから、路上での事故やトラブルも増えるだろう。車の窓からサポートする国の国旗を出して走る人もいる。

<電車の切符>
もちろん電車で移動する人も多いだろう。日本では信じられないかもしれないけれど、普段の生活で電車には全く乗らないとか、生まれてから電車に乗ったことがないという人もいる。例えばニュージーランドで毎日電車に乗るのは、オークランドかウエリントンに住んでいる一部の人だけだ。他のほとんどの町には駅さえもない。

だから、切符の買い方から全くわからない人がいるだろう。日本の電車の切符は自動券売機で買うけれど、面白いことに、自動券売機では金額しか出てこない。だからまず必ず掲示板で行き先を確認してから、券売機に向かう必要がある。券売機でアルファベットや路線図から行き先を選んで買えるようにすると、もっとスムーズに流れると思うのだけれど、ほとんどの駅ではそんな仕様になっていない。

その上、自動券売機ではクレジットカードが使えない。普段使い慣れていない日本のお札やコインを財布から探し出して券売機に投入して切符を買うのは、かなり大変だ。そして前にもこのブログでも書いたけれど、SuicaやIcocaはクレジットカードでチャージができない。とても不便だ。

海外在住の人達は、Japan Rail Pass を使う人も多いだろう。でもこのPassは自動改札は通れないので、有人改札を通る必要がある。有人改札では払い戻しやトラブル処理をやっていることが多く、長い行列ができる。

<女性専用車>
海外で女性専用車があるところはかなり少ないだろう。もしかしたら日本だけかもしれない。だから、まさかそんなものがあるなどと思わずに、女性専用車に乗る男性や家族連れがいるだろう。女性専用車の掲示を読めない人もいるだろうし、説明しようにも言葉が通じないこともある。

<携帯電話>
今、海外から日本に来る人達が真っ先に考えるのは、携帯電話の環境だろう。Wi-Fiが飛んでいるのか、Sim Card は使えるのか、などは必須の滞在準備だ。でもざっと調べてみても、旅行者用のPrepaid Sim Card は日本ではあまり出ていない。出ていたとしても、データのみで通話やSMSができないものが多い。しかも、30日程度までが最長で、それ以上は使えないものが多い。

おそらく「東京オリンピック」に向けて、もっと便利な旅行者用Sim が出てくるのだろうけれど、来年の9月には間に合わないかもしれない。だから多くの人は、日本の電話番号を持たずに長期間滞在することになる。

<クレジットカード>
これは最近日本でも話題になっているけれど、キャッシュレスがまだまだ進んでいない。普段ほとんどキャッシュを使わない生活をしているところから来た人は、かなり戸惑うだろうし、不便だし、支払い時になってトラブルになったりするだろう。

<ファーストフード店やフードコートの席取り>
日本のファーストフード店やフードコートでは、まず先に席を取って、それからカウンターで注文し、レジに向かう。席取りには、鞄や荷物を置いている人も多いけれど、海外から来た人から見ると、セキュリティ上あり得ない光景だ。「まず席を取ってください」と言われても、荷物を置いて席を離れるのにかなりの抵抗を持つ人も多い。

席を取らずに商品を注文し、トレーを持って席を探す人もたくさん出てくるだろう。

また、食べた後はそのままにしておくのがあたりまえの国もたくさんある。自分でトレーを戻す、ということを習慣として持っていない人も多い。

<即位礼正殿(せいでん)の儀>
新天皇の即位を国内外に宣言する「即位礼正殿(せいでん)の儀」が10月22日に行われ、祝日になるという。ラグビーワールドカップに来日する人達にはおそらくあまり知られていない。どんな影響があるのかまだわからないけれど、例年と違う10月22日になることは間違いないだろう。

<ハロウィン>
今年の渋谷でのハロウィンはニュースにもなっていたけれど、来年10月26日土曜日27日日曜日は、横浜でラグビーワールドカップの準々決勝が行われる。また、11月1日金曜日は東京で3位決定戦がある。もしかしたらハロウィンのイベントと重なるかもしれない。

<消費税増税>
2019年10月1日から、消費税が10%になる。軽減税率も導入されるそうだ。ちょうどラグビーワールドカップの実施期間の途中になる。宿泊費や食費、レンタカーなどもおそらく料金が変わるだろうから、当日になって戸惑う人もいるかもしれない。また、9月末はいろんな店で駆け込みショッピングがあるだろう。

<スタジアムへの移動>
2011年のラグビーワールドカップでは、ロトルアでフィジーのチームが試合をした。私もスタジアムでボランティアをしていたけれど、フィジーのファンの人達は、町からスタジアムまで歌を歌いながら、ギターを弾きながら、大きなフィジーの旗を振りながら、大勢で賑やかにやってきていた。そして試合後も、みんなで歌を歌いながら町まで帰っていった。

そんな人達が試合当日、そして試合前後に会場近くに滞在する。

<何もわからない人達>
多くの人は日本の文化や習慣、ルールやその他の情報をしっかり集めてくるだろう。でも中には、日本にはそれほど興味はないけれど、ラグビーを見に来るという人もいるだろうし、情報を得ずに来る人もいるだろう。そんな人達は、日本に来てからいろんなことに戸惑うだろうし、どうしていいのかわからないこともあるだろう。もしかしたら、トラブルに巻き込まれる人もいるかもしれない。

だから、もし来年9月から11月の間に、海外からラグビー観戦に来て、戸惑ったり迷ったり、トラブルに巻き込まれている人を見かけたら、できるだけ優しく声をかけてほしい。また、開催時期にはいろんな文化や習慣を持った人達が大勢日本に滞在するから、その準備を今から、ラグビーファンだけではなく日本全体でできればいいと思う。