リッチーとカーター
ラグビーのワールドカップが終わった後も、日本ではラグビー人気が高まっているようだ。
ニュージーランドでも現役選手を中心としたラグビーの話題には事欠かないけれど、ワールドカップの後で一番大きな話題の一つは、オールブラックスのキャプテンRichie McCawがラグビー選手として引退を表明したことだろう。引退記者会見が行われる日は、「もうすぐRichie McCaw がおそらく引退を表明する」というニュースが朝から流れ、記者会見はネットでもテレビでも生中継された。私の娘が通う小学校では、引退表明記者会見の後、校長先生が全ての教室を一つずつノックして「今、Richie McCaw が引退を表明した」と伝えて回ったそうだ。
歴代のオールブラックスのキャプテンの顔と名前は、ニュージーランドで暮らしている人ならその時その時で全員が知っているけれど、Richie McCawは今までのキャプテンの中でも、最も人気のあるそして有名なキャプテンだったと思う。
そして、Richie McCawと肩を並べて人気があり有名な選手に、Daniel Carter(Dan Carter)がいる。Daniel Carter は、ワールドカップの後はフランスのチームでプレーをすることが決まっていて、すでに渡仏している。
この人気の二人をまとめて呼ぶ時には、何の疑いもなく「リッチーとカーター」と呼ぶことも多いけれど、この呼び方は考えてみればちょっと変だ。
リッチーはRichie McCawのファーストネームで、カーターはDaniel Carterのファミリーネームだ。だから、正確には、Richie とDaniel か、McCaw とCarterと呼ぶことになるのだろう。でも、日本の方と話をする時には、リッチーとカーターと言うし、ニュージーランドの新聞などでも、Richie が引退を表明、とか、Carter がフランスに到着した、などと書いてある。
ただ、ニュージーランドのラグビーの実況では、基本的にはファミリーネームで統一されているようだ。だから、リッチーのことはMcCaw、カーターのことはCarterだ。そして日本人選手の田中史朗選手は、ニュージーランドの実況では、愛称のFumi やFumiaki ではなくてTanakaと言われる。
また、オールブラックスの中にも同じファミリーネームの人がいて、Aaron Smith、Ben Smith、そしてConrad Smith などは、実況中継の時にはフルネームで呼ばれることが多い。SmithがSmithにパスをした、では誰が誰だかわからないからだろう。
リッチーとカーター。二人の大物選手がオールブラックスを去った。名前の呼び方もファーストネームとファミリーネームとそれぞれだけれど、これからもこの二人の選手は、ニュージーランドのラグビーの歴史に残ることになるだろう。
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