単に滞在しているだけでは
語学留学にいらっしゃる方の中には、「海外で語学留学をすれば必ず英語力がついて、日本に帰る頃にはペラペラになっている」と考える方も多い。
また、ラグビー留学にいらっしゃる方の中には、「ラグビー王国ニュージーランドでトレーニングを受ければ、必ずラグビーはうまくなって、日本では向かうところ敵無しになる」と考える方もいる。
でも、現実はそれほど甘くはない。
もちろん、ニュージーランドに留学に来て、語学学校に通い、英語力をめきめき伸ばす方もいるし、ラグビー留学に来て、スキルを伸ばし、日本に戻ってから「プレーが明らかに変わった」と言われる人もいる。
でも、ただ留学に来ただけで、全員が同じように英語やラグビーのスキルを伸ばしていけるわけではない。
一年間語学学校に通っても、期待通りの英語力の伸びが感じられない人もいるし、ラグビー留学に来ても、目指していた目標に到達するのに、思ったよりも時間がかかる人もいる。
今までたくさんの語学留学生やラグビー留学生を見てきて思うのは、当たり前だけれど、ニュージーランドに留学にただ「来た」だけでは、期待するほどスキルは伸びない、ということだ。
でも、この当たり前のことを忘れてしまって、「留学に行って、ニュージーランドに滞在していれば、スキルは確実に伸びる」と思っている人もいる。
語学留学をして、確実に英語力を伸ばしている人は、学校以外でもしっかりと勉強をしているし、できるだけ日本語を使わない生活をしている。また、現地の人達の生活にどっぷりと浸かって、英語だけではなく文化や習慣なども身に付けようとしている。英語力というのは、単に友達と会話ができるだけではなく、現地の大人達が読むような書物も読むことができ、高校のレポートレベルは書ける力があり、ディスカッションができ、子どもから大人まで、年齢やその人の母語に関係なく、コミュニケーションが取れる力をつけることであることを、理解しているし、そんな力をつけるために、自分一人でもこつこつと勉強をしている。
ラグビー留学をして、着実にスキルを身に付けて周囲からの評価を受けている人は、トレーニング中の小さな一つ一つの練習に手を抜かずに取り組んでいるし、自分よりも高いスキルを持っている選手と一緒にいてそこから何かを学ぼうとしている。また、他人が遊んでいる時でも、一人でこつこつとウエイトトレーニングをしたり、フィットネスを鍛えたり、ボールを使った練習をしたりしている。ラグビーのスキルを伸ばすためには、単にパスやキックがうまくなるだけではなく、必要な筋力を身に付け、メンタルも強くなり、試合中でもきちんとコミュニケーションが取れ、しかも、チームの一員として自分の役割を理解し、誇りを持って行動する必要があることを理解している。
私が語学学校に会いに行っても、私に日本語で断ってから、英語で話す人もいるし、ラグビ-のトレーニングを見に行っても、他の選手が最後まで走りきらないところをきちんと走り抜けたり、他の人達が休憩しているわずかな時間にウエイトトレーニングをしたりしている留学生もいる。そんな人達は、100%確実に、英語力を伸ばし、ラグビーのスキルをどんどん身に付けている。
留学に行って単にそこに滞在し、先生やコーチの言っていることをこなすだけではなく、目標をきちんと設定し、やるべきことを決め、決めたことを着実に一人でこつこつとこなしていく。
そんな頭の良さとメンタルの強さが、留学には求められると思う。
キックオフNZのSNS