失敗してもかまわない
弊社のウエブサイトの会社情報にも掲載しているけれど、我々は、留学は経験だ、と考えている。経験というのは、うれしいことや幸せなこと、楽しいことややりがいや達成感を感じる経験ももちろんあるけれど、失敗や嫌な経験も、当たり前だけれど含まれている。3年間や5年間の長期留学ではもちろんのこと、数週間足らずの留学でも、いろんな経験をする。うまくいくことや楽しいこともあるけれど、失敗や嫌なこともある。
親御さんの中には、留学生、特に中学高校の若い留学生が失敗をする前に、なんとかそれを避けるようにサポートしてほしいとおっしゃる方もいるだろう。当然だと思う。遠くから見守る親御さんにしてみれば、留学中は子どもたちにはいつも笑顔で楽しくいてほしいと思うだろう。
でも、弊社では、失敗する前に手をさしのべて、留学中の失敗をできるだけ避けるようなサポートはしないようにしている。なぜなら、留学生たちが失敗の経験から学ぶことがたくさんあると思うからだ。
留学生がその経験として失敗をする時は、往往にして「判断」を誤った結果であることが多い。あることをやるのかやらないのかという判断、今日するべきことの判断、誰と過ごすのかという判断、ゴール設定の判断、考えるべきことは何かという判断、時間の使い方の判断、情報の取捨選択の判断、善悪の判断、など、様々な場面で判断をするときに、正しい、あるいは期待されている判断ができなくて、結果がうまくいかない。
留学生たちがある判断をする時に、あるいはする前に、「その判断は間違っているのではないか。もっと違う判断があるはずだ。それはこれだろう。」と私たちが指し示すことは、比較的簡単だ。それによって、留学生の失敗も避けることができるかもしれない。
しかしそうではなくて、失敗をした後で一緒に話をして、どの時点でどの判断が間違っていたのか、そのときにどんなことを考えてその判断をしたのか、また、どの時点でどんな判断をすれば良かったのか、などを留学生と一緒に考えるほうが、彼らにとってはるかにプラスになるだろうと私たちは思う。
もちろん、留学生の安全だけは確保する。安全を脅かすような行動や状況は、事前にできるだけ避けるようにサポートをする。でも、安全確保を理由に、留学生たちをがちがちに箱の中に閉じ込めてしまえば、留学中にできるはずの経験ができなくなってしまう。それは、留学生たちが自分で考えて行動する態度を身に付ける、成長の機会を奪うことにもなる。
失敗の経験をした留学生たちは、傷ついているし、元気がないし、たまには怒っていたりいらだっていたりもする。そんな彼らと向き合って、話をして、その経験から何かを学んで成長してもらう。それをする私たちは、真剣でなければならないし、本気で彼らのことを考えなければならない。
だから、留学生たちは失敗してもいいのだ。失敗は、留学生だけではなく、もちろん私たちもするし、世の中の誰もが毎日のようにしている。だけど、失敗をしても、そこから何も学ばないのであれば、せっかくの成長のチャンスを逃していることになるし、また同じ間違いを犯すことにもなるだろう。
失敗した後、自分の判断についてよく考えて、考えた結果を次に生かしていけばいい。留学は経験なのだから。
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