特別でスペシャルな存在なのだから

ある調査によると、日本から海外に留学に行く人の数が減ってきているそうだ。理由はいろいろと考えられるようだが、グローバル化社会に対応するとか、英語力必須などが声高に叫ばれているのとは、全く矛盾する調査結果だ。

弊社の留学生は、おかげさまで特に長期の高校留学生は年々その数が増えてきているが、留学の理由を聞くとやはり、日本ではできない経験をして、日本では身につけることができない感覚や考え方を身につけ、さらに英語力を伸ばす、という人が多い。

日本の中高生の中では、特に長期で留学に行く、という人は圧倒的に少数派だろう。できれば行きたいとか、夏休みに数週間だけとか考えている人は多いだろうが、実際に短期でも留学に行く人、また3年間や5年間の卒業留学をする人は、一つの中学校に何人もいない。

だから、ニュージーランドに特に長期の高校留学に来た人は、日本の中学生の中では特別な存在だ。言い換えれば、少数派、人と違うことをやる人、スペシャルな人、まれな人、珍しい人、独特な人、ユニークな人、自分を持っている人、他人に影響されない人、などとも言えるだろう。

そんな特別なスペシャルな高校留学生達だからこそ、マルチカルチャーの国ニュージーランドで、それまで持っていた自分の常識では理解できないような経験をする中で、さらに自分の考えを持って、もちろん英語力もネイティブ並みになって、日本の高校生とは違った成長をしていくのだと思う。そして、これからの日本の社会は、英語力は当然のこと、彼等彼女等のような、特別なスペシャルな人達が必要だし、そんな人達が活躍できる場所が増えていくと思う。

けれど、先日少し驚いたのは、そんな特別なスペシャルな高校留学生達でも、日本から来た他の留学生と一緒にいるときにはその場の「空気」を気にしている。「自分では違う方法がベターだとわかっていたのですが、その場の空気に抗えなかったのです。」などと言う。山本七平氏によれば、日本の人々は対象を臨在感的に把握しそれを絶対化することで空気を生み、その空気に支配されている、というのだけれど、その空気は、ニュージーランドにいる日本からの留学生達の間でさえ生み出され、留学生達を支配している。

しかし、彼等は特別なスペシャルな人達だ。周りのほとんどの友達が選ばなかった道をあえて選び留学に来ている。つまりその時点で空気に抗っている。だから、日本にいるときと同じように「空気」など読む必要はすでにない。「そんなこと言っても、KYといわれるのが嫌なんです。」と言う人もいるかもしれない。でも、以前このブログでも書いたけれど、(「KYでかまわない」「王様は裸だ!と叫んだ子どもはKYだ」 )もともと空気など存在しないニュージーランドで留学をしているのだから、KYで全くかまわないだろう。彼等彼女等は日本では特別なスペシャルな人達なのだから、少数派で、人と違うことをやる人で、まれな人で、珍しい人で、独特な人で、ユニークな人で、自分を持っている人で、他人に影響されない人、なのだから、日本と同じように空気など読む必要は、全くない。

逆に言えば、ニュージーランドで留学をしているときは、日本独特の空気に抗うことができるいいチャンスだ。そのときの空気がどんなものであっても、自分で考えて判断した通りに行動する。そのときに周りを動かす必要があるのなら人々を説得する。そんなことをやってみるチャンスが、ニュージーランドの留学中にはたくさんある。

「空気」については、またこれからも考えて行きたいと思う。

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