仕方がないを受け入れる

ニュージーランドで暮らしているとよく、「申し訳ないけれど、これは私達の力ではこれ以上どうしようもないね」などと言われる。

もちろんいろいろとやってくれた後に言われることが多いのだけれど、最初から「私にはどうしようもない」と言われることもある。

困ったな、と思う。

自分ではできないから人に頼んでいるのに、頼んだ人がどうしようもないというと、もうほんとうにどうしようもなくなる。

そんな時、ニュージーランドの人達は、「そこを何とかならないか」とか「どうしようもないとは、どういうことだ」などとあらがわない。

「そうか、どうしようもないのか。じゃあ仕方ないね」と考える人が多いように思う。

この時の「仕方がない」はネガティブなあきらめではなく、「自分の思い通りに行かないことを受け入れる」というポジティブな態度だ。

そこで「そこを何とかならないか」とか「どうしようもないとは、どういうことだ」などとあらがう態度は、なんでも自分の思い通りに行くという、ある種傲慢な態度だと思う。しかも、自分で何とかしようという状況ではなく、人に何とかしてもらおうという状況ならなおさらだ。

うまくいかないとき、それでも何とかしようという態度ももちろん必要だ。けれど、「そうか、どうしようもないのか。じゃあ仕方ないね」と受け入れる態度も、時には必要だろう。

どこを何とかしようとして、どこを受け入れるのか。その判断も大切だ。

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