首の後ろがチクチクする時には宇宙のことを考える

新しいTシャツを着ると、首の後ろについているタグが首筋にあたってチクチクして、すごくうっとうしいことがある。

朝Tシャツを着て、夜シャワーを浴びる寸前まで、チクチクして、うっとうしくて、いらいらして、集中できなかったり、腹が立ったり、もうTシャツなど二度と買わないと思う。一日中、Tシャツに嫌がらせを受けている気分で、その日は一日台無しだ、とさえ思う。

先日、イギリスの理論物理学者のスティーヴン・ホーキング氏が亡くなった。

ウィキペディアで調べてみると、

「一般相対性理論と関わる分野で理論的研究を前進させ、1963年にブラックホールの特異点定理を発表し世界的に名を知られた。1971年には「宇宙創成直後に小さなブラックホールが多数発生する」とする理論を提唱、1974年には「ブラックホールは素粒子を放出することによってその勢力を弱め、やがて爆発により消滅する」とする理論(ホーキング放射)を発表、量子宇宙論という分野を形作ることになった。現代宇宙論に多大な影響を与えた人物である。」

と書かれてある。全く意味がわからない。日本語なのかどうかも疑わしい。これをウィキペディアに書いた人が、スティーヴン・ホーキング氏以外にいることが、もう理解できない。

でも私が理解できることがあるとすれば、おそらくスティーヴン・ホーキング氏は亡くなる直前まで、宇宙のことを考えていただろう、ということだ。

私は宇宙のことはよくわからないけれど、たまには宇宙の視点で物事を考えてみてもいいのではないかとは思う。

もちろん、特異点定理も、ホーキング放射も、時間順序保護仮説も、全くわからない。だけど実際に自分が宇宙の中で生まれて、生きて、死んでいくことを、宇宙の視点から見てみる時間を取るのもいいだろう。

今、この瞬間にも、自分が生活しているこの地球は、自転をしながら、しかも太陽のまわりを公転している。自転は約24時間、公転は約365日で1周する。

そして自転も公転も、何百年、何万年どころか、何十億年も前から粛々と同じように行われている。

すごくないか?自転と公転。すごいだろう?宇宙。

素人が考えれば、何十億年も自転したり公転したりしていれば、だんだん遅くなってきてもいいようにも思う。けれどずっと一日は約24時間で一年は約365日だ。

宇宙の視点からこんなことを考えていると、自分の生活の中の嫌なことやうまくいかないことなど、どうでもよくなってくる。

今日も地球は自転をしながら公転している。何十億年も前と同じペースで動いている。明日は一日は25時間です、とはならないし、来年は386日です、という年はやってこない。

そう考えると、Tシャツのタグで首筋がチクチクすることくらい、もうまったくどうでもよくなってしまうのだ。

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