暖炉がなくなる日

ニュージーランドは真冬だ。寒い日が続いている。

朝から寒いと、みんな早くから暖炉に火を入れる。暖炉は薪を燃やして暖めるので、当然煙突から煙が出る。だから、寒い日の朝は、街全体がうっすらと白い煙に覆われることも多い。

これも冬の風物詩の一つだったのだが、最近は、この煙によって街が覆われることが問題になっている。風のない日や、他よりも低い土地などは、一日中煙がたまり、車を運転していても視界が悪く事故が起こりやすかったりする。

だからロトルアでは今年の6月から、一定の基準を満たさない古い暖炉がある家は、そのままでは売ることができない、というルールができた。古い暖炉があるお宅を売りに出したいときには、その暖炉を使えない状態にして売るか、新しいタイプの暖炉に替えるか、などをしてから売らなければならない。また、ロトルアでは、暖炉以外の、例えばガスヒーターやエアコンをそれまで使っていた暖炉に替えて購入するときには、最大4000ドルまでの無利子のローンが組めるようにもなっている。ロトルア市としては、できるだけ早く暖炉から他の暖房器具への移行を済ませたいのだと思う。

暖炉は面倒くさいし、なかなか暖かくならないけれど、一度燃やせば家中が暖かくなるし、見ていて精神的に安らぐし、停電などにも影響されないので、とてもいい。でも、いつかはすべてのお宅から暖炉がなくなる日もやってくるのだと思う。

キックオフNZのSNS