理解していないことが前提
留学生達とは定期的に話をしているので、長期留学生達とはだんだん距離が近くなってくる。
最初は一言二言しか話をしなかった留学生も、大人になってくるということもあるのだろうけれど、私達にも少しずつ気軽にいろんなことを話してくれるようになってくる。
でも、いくら親しくなっても気をつけているのは、私達は留学生のことをわかっているようで実は全てを理解しているわけではないということだ。こちらのいろんな質問に自分の言葉で答えてくれるからといって、留学生自身からいろんな話を積極的にしてくれるからといって、それで私達が彼ら彼女らのことを全てわかっているかというと、そんなことはないだろう。
自分の子どものことでさえ親として全て理解しているかと言われると、答えはNOだろう。だったら、留学生ならなおさらだ。
だから、私達が彼ら彼女らと話をする時には、できるだけ最後まで話を聞こうとするし、理解していない部分があることを前提にアドバイスをする。場合によっては、「私はあなたのことを全てわかっているわけではないけれど、私がずっと見てきた範囲でアドバイスをするならば、」という言い方をすることもある。
「理解できていないのは、留学生をサポートする人間としての力が足りないからだ」とおっしゃる方もいるかもしれない。事実そうかもしれない。私達も10年以上留学生のサポートをしているけれど、まだまだ力が足りないと思う部分もあるし、留学生達から学ぶことも多い。また、10年前と比べると、留学生も変わってきているので、私達も常に学んで行く姿勢が必要だ。
だからこそ留学生に対しては「我々はあなたのことを全てわかっているのだ。その上でこのアドバイスをするのだ」とはなかなか言えない。一所懸命理解しようとした上で、それでもわかっていない部分があることを前提に、丁寧に話を聞いてアドバイスをする。それが私達のやり方だ。
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