スキルと理論

弊社では、長期、短期の高校留学生が多い。その中でもラグビー高校留学生は、長期、短期ともに毎年たくさんの留学生にきて頂いている。

そして、現在弊社がご紹介している高校の中で、クライストチャーチボーイズハイスクールとロトルアボーイズハイスクールには、ラグビーの授業がある。両校とも授業の一つなので、もちろん授業時間内に行われ、パス、キック、タックルなどのスキル、ウエイトトレーニングやフィットネストレーニング、そして、試合分析などの座学も行われる。

ロトルアボーイズハイスクールのラグビーアカデミーの、試合分析の講義を観に行ってきた。

ラグビーアカデミーの先生は、Ngarimu Simpkins 氏だ。Simpkins 氏は、選手時代は、ノースハーバーやベイオブプレンティでプロ選手として活躍していた先生だ。また、ハートランドチャンピオンシップのウエストコーストでコーチの経験も持っている。そして、昨年着任早々一年目に、ロトルアボーイズハイスクールのラグビー部をニュージーランドで全国優勝に導き、ゴールデンウイークに日本で行われるサニックスユース大会に、チームを連れて訪日する。

私が見た講義では、まず、先週末に行われたスーパーラグビーの試合をテレビで見たかどうかを、生徒達に尋ねるところから始まった。ほとんどの生徒はスーパーラグビーは見ている。次に「自分が見た試合で、自分と同じポジションの選手について、感想を言いなさい」という質問だ。何人かの生徒が、「チーフスの試合を見て、○○という選手のこんなプレーがよかった」などと発言をする。ニュージーランドの高校生達は、あてられなくてもどんどん発言する人も多いし、あてられればしっかりと自分の意見を言う。

生徒達の意見を聞いた後、先生は、これからどんな部分に注目してプロのプレーを見ればいいのか、を解説していった。自分の試合も含めて、試合を後から見た時の分析の仕方の講義だ。

まずは、どのチームのどの選手に注目するのかを決めて、その選手のプレーがなぜいいのかという理由を発見し、具体的にそのプレーのどのような所がいいのかをはっきりとさせ、最後に、それを自分にどのように活かすことができるのかを考える。このプロセスをきちんと踏まえて、他の人、そして自分のプレーを後から見直し、分析することで、それ以降の自分のプレーが変わる。

そんな内容だった。

ロトルアボーイズハイスクールのラグビーアカデミーの授業には、現地学生も参加しているけれど、日本からの留学生も在籍している。特に短期留学生は英語での理解がなかなか難しかったようだけれど、留学3年目の生徒達はみんな何度も頷きながら授業を聞いていた。

試合分析に限らず、しっかりとした理論を理解した上で、フィールドでスキルを磨く。この繰り返しが、ラグビー王国の基礎となっているように思う。

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