多様性を受け入れている社会での自己紹介
以前から何度かこのブログでも書いているけれど、ニュージーランドで暮らしていて感じるのは、「多様性」と「受け入れる」という両方が大切だということだ。
ニュージーランドは移民の国だ。元々マオリの人達が暮らしていた土地にヨーロピアンが入ってきて、その後アジアからの移民も増えた。
2013年の国勢調査によると、ニュージーランドの約74%がヨーロピアン、15%がマオリ、12%がアジアン、7%がパシフィックなどとなっている。合計が100%超えるのは、自分の民族を複数選ぶ人もいるからだ。
何度も書くようだけれど、ニュージーランドには、いろいろな文化やバックグラウンドを持つ人達がいて、いろんな宗教を信じる人達がいて、いろんな考えを持つ人達がいる。
そして、そんなニュージーランドで暮らしている人々は、同じ国で暮らす人をとりあえず「受け入れ」ようとしている。
地方だけではなく国政への選挙権が、永住ビザを持つニュージーランド国籍以外の人達にも認められているのも、その一つの表れだろう。また、就職の時でも、民族や性別、年齢などで差別されないことが前提となっていて、履歴書に性別や年齢を書くことは原則として求められない。
もちろん、全ての人達がいろんな人を「受け入れている」というのは言い過ぎだし、実際には民族や性別で差別されることもあるだろう。でも、少なくとも制度の上では禁止されているし、その制度を多くの人が守ろうと努力している。
だからかもしれないけれど、例えば大人同士で初めて会った人に自己紹介をする時に、年齢や民族のことを自分から言うことは、特別な場合を除いてあまりないし、相手から聞かれることもない。
もっと言えば、多くの人は、初めて会った人の年齢や民族よりも、その人が個人としてどんな人なのかに興味を示す、あるいは興味を示そうとする。
多様性が認められそれが受け入れられている社会で自己紹介をするということは、その人の属性ではなく、その人そのものを自分で紹介し、その人そのものに相手は興味を示す、ということなのだ。
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