NZの物価が高く感じるのは

先日日本からいらっしゃった高校留学生のご家族が、「ニュージーランドの物価は高い」とおっしゃった。

確かに、日本と比べるとニュージーランドのいろんなものが高いと思う。特に外食は2倍くらいの感覚だ。

ニュージーランドで大人二人で外食すると、カフェのランチで飲み物を一人一つオーダーして二人で40ドルから50ドル、レストランの夕食が一杯ずつアルコールを飲んで二人で80ドルから100ドルの予算だ。今1ドル80円弱くらいなので、ランチが二人で3200円から4000円、ディナーだと6400円から8000円の計算だ。

日本だとランチなら二人で2000円でお茶も飲めるし、夕食でも二人で5000円以内で収まるお店もたくさんあるだろう。

ニュージーランドは日本と比べると物価が高いけれど、どちらかと言えば、日本が他の国と比べて物価が安いというのが事実に近いと思う。

私がニュージーランドに移住した20年前は、明らかに日本のほうが物価が高く、「日本で稼いでニュージーランドで使うのが一番いい」などと言われていた。けれど、この20年で、ニュージーランドや他の国の物価はどんどん上がり、日本はデフレが続いてきた。もちろんニュージーランドや他国の最低賃金もどんどん上がってきて所得も増えてきている。それに対して、日本は賃金もなかなか上がらないようだ。

1997年の為替レートも今とほぼ同じ1ドル80円弱で推移していたので、物価の感覚の違いは、実際の物価の違いだと思う。

そして今では、「ニュージーランドを初めとして海外で稼いで日本で使うのがいい」という状態になってきている。

来年のラグビーワールドカップや再来年の東京オリンピック・パラリンピックで多くの観光客が海外からやってくることを考えると、この日本の安さはいいことかもしれない。長く滞在し、多く消費してくれる。けれど、逆に言えば、日本は世界から見ると「安い国」になってきていて、これからのことを考えると問題も多いかもしれない。

英語ができて海外生活経験のある人は、これから日本で収入を得ていくのか、海外で働くのか、日本のこれからの物価や給与水準なども含めて、改めて考えて選択して行く必要があるだろう。

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