語学留学のススメ

「英語がうまくなる方法をおしえてください。」

多くの人が聞きたい質問です。

日本語でコミュニケーションをとっていたのを英語に変えるというのは、単に言語を変えるというだけではなく、考え方や行動、人との関係を変えることだ思います。

25歳で語学学校に
留学している人がいるとします。ろんな国から来ている人が周りにいます。

日本語で話す時、

「こんにちは、T。元気?」

英語で話す時、

「Hi, T. How are you? 」

ですが、例えば明らかに50歳を超えていると思われる日本人がいた場合、

「こんにちは、Tさん。元気ですか?」

同じ50歳+の人と英語で話す時、

「Hi, T. How are you? 」。

日本語で話す場合、相手との関係を考えて微妙に言葉を変えています。英語は同じ表現です。

日本で初対面の人に「君(きみ)は・・・」といった瞬間に、自分と相手との関係が半分は決まってしまいます。

「おまえは・・・」「おたくは・・・」「あんたは・・・」「○○さんは・・・」と言った場合と明らかに違います。

日本語では、相手に呼びかける以前に自分と相手との関係を考えなければならない。使う言葉によって二人の関係が違ってくる。逆に言えば、日本語が人と人との関係を規定しているのです。

家族と離れて長く暮れらしていると、

「Do you miss your family?」

と聞かれることがあります。最初「miss」という言葉が少し強く感じて、どうも自分の気持ちを言い表していないように感じました。確かに「miss」なんですけれども、自分の感情とちょっと違う。

私の日本語の感覚だと、遠くに離れて暮らしている家族を「miss」というのは、自分の中ではそう感じていても、他人にストレートに言う言葉じゃない。それに「miss」をうまく表す日本語が見つからない。「寂しい」でもないし「会いたい」でもないし「寂しくて会いたい」でもない。

でも、英語で、「I miss my faimly.」と何回も言っている間に「miss」という感情になってきた。決して「寂しい」でも「会いたい」でも「寂しくて会いたい」でもなく「miss」と感じるようになった。

それは単に「miss」という言葉を日本語で置き換えることができたのではなく、「miss」という「言葉」を理解したのでもなく、英語で「miss」を使ってコミュニケーションをとっている間に、「miss」という言葉の後ろにある人々の感情や背景を自分の感覚として感じられるようになった、というのが正しいと思います。あるいは、「miss」という英語が私の感情を規定したと言えるかもしれません。

言葉はコミュニケーションの道具です。日本で

「この英語を日本語に訳しましょう」

とやっているのは、英語という道具の取り扱い説明書を解説しているようなもので、実際に道具を使うところまではいってないと思います。

「英語を英語として理解する。」ということはよく言われますが、それは、英語という道具を自分の身体に合った道具として使いこなせるように自分の身体を変える必要があるということです。そのためには、言葉に触れるだけではなく、そのバックグラウンドを自分の身体で感じることが必要です。

留学して英語を学ぶということは、取扱説明書をポケットに入れながら実際に道具を使ってみるということです。そして、その道具をうまく使いこなせるように自分自身を変えていくということです。

単に言葉だけを学ぶのなら今は日本でも大丈夫です。英語という道具の取扱説明書は日本にたくさんあります。でも、本当に英語という道具をうまく使いこなせるようになりたいのなら、留学というのは大きな一つの手段だと思います。

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