雷がなった。

さっきまでいい天気で、どの家もたくさんの洗濯物を庭に干していたのに、急に曇ってきて雨が降り出した。そして、雷。そういえば、子どもの頃、雷がなると、「おへそを取られるよ」と言われて、必死になって自分のおへそを隠していた。いつの頃からか、そんなこともしなくなった。今でも雷は怖いけれど、雷がなってもおへそに手をやることはしない。いつから雷がおへそを取ることを信じなくなったのだろう。雷を科学的に説明できる知識を持っていることも大切かもしれないが、雷がなるとおへそに手をあてるという、引き出しの奥のほうにしまいこんでしまったそんな気持ちも、たまに思い出してみたいと思う。

今度雷がなったら、そっとおへそに手をあててみようと思う。