スポーツも英語も習得方法は似ている
新しくスポーツを始めるとする。例えば、ラグビー。最初はどうするか。まず、教えてくれる人やチームを探す。そして、練習初日、ボールも触ったこともないのであれば、まず、コーチからボールの持ち方から教えてもらう。コーチは、ボールを持ってみろ、というだろうか。そういうコーチもいるかもしれないが、おそらく多くのコーチは、自分でボールを持って見せて、こういう持ち方をするんだ、と説明してくれるだろう。その間、習うほうはじっとそれを聞いているしかない。
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次に、コーチはきっとこういう。「じゃあ、ボールを持ってごらん。」そこで初めてボールを持ってみる。さっきコーチが持っていた通りに持とうとしてみる。もしそれがうまくできないのなら、コーチはもう一度持ち方を見せてくれるかもしれないし、持っている手の位置を手取り足取り指導してくれるかも知れない。
そして、ボールを基本通りに持てるようになったら、次は、それを体に覚えこませるために、何度も何度も繰り返す。ボールを放り上げて受け取ってみるとか、誰かが投げたボールをつかんでみるとか、置いてあるボールを拾い上げてみるとか、様々な状況に応じて、しっかりと持てるように練習を繰り返す。
そして、次は、パス、キック、タックルなど新しい技術を覚えていく。それぞれの技術を教えてもらう場合も、ボールの持ち方を教えてもらった時と同じように、まずコーチが見本を見せて、それを聞いて、そして次に自分でやってみて、間違いを訂正してもらい、実際に使って体に覚えこませる、という段階を経る。
スポーツも英語も習得方法は似ていると思う。
新しく英語を習得しようとする。最初はどうするか。まず、教えてくれる人や団体を探す。英語の場合は、自分ひとりでもできるかも知れない。その場合は、教材を探すということになるだろうか。初日、先生は、英語を話してみろ、というだろうか。その時点での英語力を測るためにそういう先生もいるかもしれないが、おそらく多くの先生は、英語の基礎の技術を教えてくれるだろう。それは、文法だったり、単語だったり、発音だったり、表現だったりする。その間、習うほうはじっとそれを聞いている。
次に、先生はきっとこういう。「じゃあ、実際に英語を使って見ましょう。」そして、文法を習ったのであれば文法の練習をし、発音を習ったのであれば声を出して発音してみて、英語独特の表現を習ったのであればその表現を使って文章を作ったりしてみる。
そして、ある程度英語ができるようになったら、次は、それを体に覚えこませるために、何度も何度も繰り返す。ある単語の発音をできるまで言ってみるとか、文章を書いてみるとか、長文を読んでみるとか、ネイティブの人と会話をしてみるとかだ。
そして、次は、より高度な英語を覚えていく。文法もそうだし、単語も、会話もそうだ。その時は、まず、先生が使っている、あるいは教えてくれる英語を聞いたり読んだりして、そして次に自分でやってみて、間違いを訂正してもらい、実際に使って体に覚えこませる、という段階を経るだろう。
こう考えると、スポーツも英語もその習得には、先生と生徒のインタラクティブな双方向のやり取りが必要なことがわかる。
英語は自分で習得できるという人もいる。確かに、先生から自分へというベクトルの部分を、自分で何とか埋め合わせることもできるかもしれない。でも、先生がいたほうが、双方向のやり取りは簡単でしかも効果があるように思う。特に、聞く、話す、の技能は、一人よりも双方向のやり取りのほうが、効率よく技術を習得できるだろう。
スポーツと英語の習得過程は、よく似ている。高度なスポーツの技術を身につけるためには、いいコーチといい環境が必要だ。それと同じように、ネイティブに近い英語力を身につけるためにも、いい先生といい環境が必要だと思う。
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