ポリテクや専門学校、大学に留学
ニュージーランドのポリテクや専門学校、大学に留学するためには、IELTSなどの試験で例えば、6.0ポイントなどを取得している必要がある。これらの英語力の証明がないと、入学を許可されないこともある。
.
ただ、英語力が例えば、IELTSで6.0ポイントなど以上あれば、ポリテクや専門学校、大学の授業に楽についていけるかと言えば、そうではない。それは、英語力の幅がもう少し必要だという意味もあるが、ニュージーランドと日本との文化や考え方、常識や知識などの違いによって、授業をうまく理解できないことがある、という意味でもある。
例えば、以前にこのブログでもご紹介した、New Zealand Diploma In Business というコースに、Business Communication という科目(ペーパー)がある。その中の一項目で、Conflict (争い、衝突、不一致など)について学ぶ。ビジネスの中での争いや衝突に対する考え方、対処方法などを学ぶ授業だ。
授業中にグループディスカッションを行なう練習問題の中に、次のような例が掲載されている。
「私には、2人のClerk(事務員)の部下がいる。彼らの仕事は新しい顧客の情報を収集整理することだ。彼らは毎朝決まって、その日の予定を立てる前に45分間新聞を読む。私は彼らに何度か注意を与え、朝の仕事内容についてのアドバイスも行なったが、効果がなかった。彼らは仕事はよくこなし、私との関係も良好だ。ただ、他のスタッフとのバランスを崩し、他のスタッフからの苦情も出て、私との関係も悪くなりつつある。」
この練習問題とディスカッションでは、この例について、何がConflict であり、何が問題で、それぞれの登場人物はどのようにしなければならないかなどを話し合う。
私がこの例を目にしたとき、まず、2人の部下が毎朝45分間も新聞を読むということ自体が、理解できなかった。私の常識で考えれば、この例はかなり無理がある。ビジネス内にConflict を作り出す特殊な例をわざと練習問題として作成しているように感じた。あるいは、この2人は仕事として新聞を読んでいるのかもしれない、とも考えられた。
しかし、ニュージーランド人は、この例を特殊な例とは思わず、「あり得る」例として捉えていることがわかった。ディスカッションでもいろんな意見が出る。中には、「他のスタッフにも毎朝新聞を読む時間を作ればいい。」というものまであった。先生は、それを一つの意見として素直に受け入れる。
日本で組織の一員として仕事をした経験が長ければ長いほど、上の例や意見は、感覚的に素直に一般的な例としては受け入れられないと思うが、どうだろうか。おそらく、ニュージーランドでは、これがスッと受け入れられる土壌があるのだろうと思う。
この例に限らず、今まで自分が持っている常識では捉えられないことが、授業中や学校内で起こることがよくある。それは、英語力のレベルだけでは超えられないハードルだ。特に、ニュージーランドで語学留学せずに日本から直接ニュージーランドのポリテクなどに留学した場合、戸惑うことも多いと思う。
キックオフNZのSNS