どうすれば水は溝の中をスムーズに流れるでしょうか?
弊社の長期の高校留学生は最近は留学スタートの年齢が早くなってきている。
数年前までは日本の中学を卒業する年齢から3年間の高校留学生が多かったけれど、中学の途中から4年間や5年間、そして来年からは6年間の予定で留学をご検討頂いている方もいらっしゃる。
今年も日本の小学5年生の3学期、ニュージーランドのIntermediate School のYear 7のTerm 1から留学をスタートさせた留学生がいる。今は7月なので、日本で言えば小学6年生の1学期が終わった年齢だ。
彼は日本で英語を勉強して来たけれど、ニュージーランドの学校で授業を受け、友達と会話をするのはやはり最初はかなり難しかったようだ。また小学5年生での一人での留学なので、最初はホームシックにもなったようだ。
それでも持ち前の明るさと頭の良さ、社交性を発揮して、どんどん友達も作り、英語力も伸び、今では、ホームステイでの会話はほとんど困ることはない程度までになった。年齢が若い分、英語力の伸びも速いし、毎日の経験からいろんなことをどんどん吸収している。
先日彼が、日本とニュージーランドの学校の授業の違いについて、面白いことを言っていた。
「例えば、溝に水を流すときにどうすればスムーズに流れるでしょうか?という問いがあるとします。日本の場合は、目の前に溝があって、その中にゴミとか落ち葉とかいろんなものが詰まっていて、それをどう取り除いて水を流せばスムーズに流れるかを考えます。でもニュージーランドでは、目の前には広場があるだけで、溝から自分たちで掘るのです。」
これが彼が約半年間の留学生活で感じた、日本とニュージーランドの授業の違いだそうだ。日本では課題達成のためのお膳立てを先生や周囲の大人が全てやり終えていて、最後の部分だけを生徒が考える。でもニュージーランドでは、生徒自身で溝を掘るところから始める。
とても面白い。日本とニュージーランドの教育の違いを的確に表しているように思う。
彼が言った授業内容の違いも面白いし、それを言葉にして説明できる小学6年生もすばらしい。もともとの彼の感性や頭の良さもあるのだろうが、この半年間の留学生活の影響もあるだろう。
日本は溝に詰まっているものを取り除く方法だけを考える。ニュージーランドは溝から掘る。
どちらも最後には水はスムーズに流れるのだろうけれど、そこで学ぶ量と質には大きな違いがあるだろう。そして、そんな授業を受けている生徒達も、年齢が上がるにつれてさらに大きく違っていくのだろう。
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