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伊坂幸太郎の小説、「ゴールデン・スランバー」を図書館で借りて読んだ。ロトルアの図書館にはこの小説を初めとして、たくさんの日本語の本がある。

ある男性が首相暗殺の濡れ衣を着せられて逃亡する二日間の物語だ。日本では映画にもなったようなので、ストーリーをご存知の方も多いかもしれない。

読んでいて何が怖かったかというと、身に覚えのない犯罪の濡れ衣を着せられることももちろんだが、それを世間に流すマスコミとその情報を信じる世間の存在がかなり怖かった。会ったこともない人に対して、マスコミがそう報じているからとか、世間がみんなそう言っているからというただそれだけの理由で、その人が犯罪を犯したと決め付けてしまう怖さ。それはもちろん、断定的な、あるいは誘導的な情報を流すマスコミやインターネットも悪いのだが、それを簡単に信じてしまう、我々世間もかなり怖い存在だ。そして主人公を追う警察組織と同じように、世間の人々という存在も主人公を追い詰めていく。

振り返って、今現在の自分を考えてみると、なるべく注意しているとはいえ、新聞や雑誌やテレビ、そしてインターネットから得る情報を、何の批判もなくそのまま鵜呑みにしていることも多い。特に感心の薄いニュースや情報に対しては、検証という過程を経ずに、なんとなく情報を信じてしまっている。

これからの時代、新聞やテレビなどのマスコミと言われるところからだけではなく、個人が発する情報が氾濫するインターネットから、大量のニュースが入ってくる。一歩間違えば、この小説の中の世間の一人に、現実になってしまうのかもしれない。

この小説、様々な複線が張られていて、それが最後に見事に終結していくところも読み応えがある。映画ではなくてまずは小説を一度読んでみてください。面白いです。