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アメリカスカップというヨットレースの第34回大会が、サンフランシスコで行われていた。ヨットレースは日本の方にはあまりなじみがないと思うが、ニュージーランドではヨットはスポーツとして人気があり、ロトルアにもヨットクラブがあって、湖で小さな子ども達が小さなヨットで練習をしていたりする。

アメリカスカップは、1851年に始まり、継続して使用されている世界最古のスポーツトロフィーだ。もともとはヨットクラブ同士の国際親善レースだが、ヨットは出場国内で建造しなければならないというルールがあって、出場国のあらゆるテクノロジーの技術を駆使した、国の威信をかけたレースとなっている。

アメリカは第一回アメリカスカップから実に130年以上に渡り勝ち続けカップを防衛してきたが、1983年にオーストラリアに敗れた。また、1995年の第29回大会では、ニュージーランドが優勝し、オークランドで2000年に行われた第30回大会と併せて、チームニュージーランドが2連覇を果たした。2000年の決勝戦でチームニュージーランドが勝てば優勝というレースが行われている時間帯は、みんな自宅や職場でテレビを見ていて、町中がシーンと静まり返っていたのを覚えている。

レースはまず、アメリカスカップの防衛艇に挑戦するチームを決める予選が行われ、勝ち残った1チームがアメリカスカップをかけて防衛艇と戦うことができる。今回の34回大会では、スウェーデン、イタリアなどが挑戦艇として予選に参加し、チームニュージーランドが勝ち残って、チームUSAと戦った。

今大会のアメリカスカップは、最初に9レースを制したチームが勝つというルールだった。ニュージーランドは先に8勝し、USAに7つポイントを開けていて、後1つ勝てば優勝というところまで来ていた。でもそこからUSAが追い上げて、昨日の時点で8対8の同点。今日のレースで勝ったほうが優勝だった。

そして迎えた最終決戦の19レース。スタートはチームニュージーランドがリードしたのだが、途中USAに抜かされてリードを広げられ、最後はかなり差を広げられて先にフィニッシュラインを越えられてしまった。

この2週間ほどは、会う人会う人全てがアメリカスカップの話題で持ちきりだった。昨日高校生ツアーグループが小学校を訪問したときにも、校長先生が、「ちょっと今からヨットレースの結果を確認するので待ってください」と携帯電話を覗き込んでいた。また、ロトルア市長さんとアフタヌーンティをしたときにも、チームニュージーランドを応援するために、赤いソックスをみんなにプレゼントしてくれた。

これで、アメリカスカップがニュージーランドに戻ってくる夢は一旦消えた。でも、人口440万人の小さな国が、大富豪達がサポートするUSAによく健闘したと思う。チームニュージーランドの健闘をたたえたいし、小さな国でありながら、莫大な費用がかかるスポーツでUSAと肩を並べて戦ったことを、ニュージーランドの人達は誇りに思っているだろう。

アメリカスカップの動画は以下からご覧いただけます。
アメリカスカップYouTube 動画