あなたは英語上手ですね
ニュージーランドで暮らし始めたときは、英語での会話はほとんどできなかった。読み書きは辞書を使えば何とかなったけれど、聞き取りや自分で話すことは、今から考えると全くと言っていいほどできなかった。
でも、しばらくニュージーランドで暮らしているうちに、「あなたは英語上手ですね」と言われることが増えてきた。そのときは「全くできなかった英語が、ニュージーランドの人達に上手ですね、といわれるところまで上達した」と素直に喜んでいた。でもまた何年か経って英語での会話が何とかできるようになってくると、今度は「あなたは英語上手ですね」とはほとんど言われなくなった。
そりゃそうだと思う。例えば、日本語が片言の外国から来た人に対しては、「日本語お上手ですね」と言うこともあるが、日本語がペラペラの人に対しては言わないだろう。日本語での会話に支障がない人にそんなことを言えば、よけいに失礼だ。
だから、「あなたは英語上手ですね」と言われているうちは、英語での会話の力はまだまだだ、ということだ。それは言い換えれば、「一生懸命英語で話をしていらっしゃる努力はすばらしいですが、まだペラペラではないですね」と言われているのだ。
だから、全く英語で会話ができない留学生が「あなたは英語上手ですね」と言われるようになれば、少し英語が上達したということで、そんなことも全く言われなくなって、気がついたら英語でみんなと会話をしている、というレベルになれば、英語でコミュニケーションが取れるようになった、といえるのだ。
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