暇な時間は何もしない空白の時間ではない
もう10年くらい前のこのブログで(「暇でいいのだ」 )、留学生たちが暇だと言うのは決して悪いことではないと書いた。
暇だと言っていた留学生たちは、だんだん自分で何かすることを見つけてやり始める。たとえ最初は何もしないまま時間だけが過ぎ去っていく留学生がいたとしても、時間はあっという間に過ぎてしまうという危機感を実感し、いつか必ず自分で考えて、何かをし始める。
そしてこの、何もすることがない時間が目の前にあるときに、自分でやることを考えて何かをする、という判断力や行動力は、大人になって社会に出たときにも必ず役にたつ。
そう考えると、暇な時間というのは、何もしない全く空白の時間ではないことがわかる。
留学生たちが暇だと言うときは、自分で何かを考える時間であり、自分で何かを見つけてやってみる時間であり、何もせずどんどん過ぎ去っていく時間に危機感を感じる時間であって、その経験を通して、判断力や行動力を養う成長の時間でもある。
日本で見守っていらっしゃる親御さんは、息子さんや娘さんが、留学生活の中で、暇だ、何もすることがないと言うと、おそらくとてもがっかりする。せっかく日本とは違う生活や経験ができる世界に送り出したのに、そんな貴重な時間を過ごしているときに暇だというのは何事か、留学させた意味がないではないか、と感じる。
でも、実は、日本で忙しくしていた時間は、自分では何も考えなくても、自分から動かなくても、周りにいる大人たちが、次から次へとやるべきことを与えてくれる、そんな「忙しい」時間だったのかもしれない。
日本での生活は、自分で考えて、自分で判断して、自分で行動した結果、自分で選び取ったことをやっていたのではなくて、自分では何も考えず、何も判断せず、何も行動しない中で、周りから与えられたことを「忙しく」「時間に追われながら」こなしていただけなのかもしれない。
そんなことに留学生たちは気づく。
そう考えると、留学生活での暇な時間は、全く何もしない空白の時間ではなくて、自分のやりたいこと、自分の好きなことを、自分で感じて考えて、自分で動いて、そして自分の力でつかみ取る、そういう時間なのだと思う。
もちろん、3日間暇な時間の後で4日目には必ずやりたいことが見つかる、という話ではない。1週間や2週間ずっと暇だ暇だと言いながら、スマホを触って時間が過ぎ去る人もいるだろう。
でもそれはそれで一つの経験だと思う。
そんな時間を過ごした中で、やはり自分から動かなければならないのだ。自分で考えて、自分で行動して、何かをつかみ取っていかなければならないのだ。ということを、学ぶことができる。
留学生たちが暇だ暇だと言うときには、彼ら彼女らがただ単に何もない時間にどんよりと漂っているのではなく、そこからたくさんのことを学びとる、貴重な時間なのだと思う。
++++++++++
キックオフNZ では、7月2日(土)に、オンランでNZ中学高校留学および大学留学の個人相談会を実施いたします。
相談会参加費用は無料です。
事前の予約制です。
お問い合わせは以下からお早めにお願いいたします。
キックオフNZのSNS