NZでワクチン接種義務職種を拡大

昨日、2021年10月11日の会見で、Covid -19対策相兼教育相から、ワクチン接種を原則として義務付ける職種の拡大について、アナウンスがありました。

現在、政府管理下での隔離施設、空港、港で働く人に原則義務付けられているワクチン接種を、以下の2つの職種にも拡大します。

1.Health and Disability sector(医療従事者)
一般開業医(GP)、薬剤師、地域保健看護師、助産師、救急救命士や、集中治療室、高齢者施設、コミュニティーサポートサービス施設などでの従事者を含む、すべての医療従事者は、10月30日までに少なくとも一回目のワクチン接種を完了し、12月1日までに2回目のワクチン接種を完了することが義務付けられます。

2.Education sector(学校等教育関係者)
2022年1月1日以降、小中高校と、保育園および幼稚園などの教育機関は、生徒や児童、園児に接するスタッフやサポートスタッフが、2回のワクチン接種を完了していることを確認、登録、管理することが求められます。1回目のワクチン接種は、11月15日までに完了していることが求められます。

ワクチン接種対象者は、ティーチャーエイド、受付業務従事者、施設管理者、コントラクターなども含みます。

また、Secondary Schools(高校)は、生徒のワクチン接種完了登録をすることが求められます。ワクチン接種完了証明を提示できない生徒は、未接種者とみなされる場合があります。

オークランド地域など、アラートレベルがLevel 3 の地域の学校で業務を行うすべての人は、新型コロナウイルスの検査結果が陰性であることが確認出来た後に、業務に戻ることができます。

2022年1月1日以降まだワクチン接種を完了していない、学校等の教育関係者は、毎週新型コロナウイルスの検査を受けることが求められます。

大学やポリテクなどの高等教育機関従事者のワクチン接種の義務化については、現在検討中です。

今まで、政府管理下での隔離施設や空港や港など、国外から入国する人に接する職種でのみ義務付けられていたワクチン接種を、医療従事者や教育関係者などの、国内にいる人たちに接する職種にも拡大したことは、「市中感染者ゼロを目指す方針からの転換」に沿ったものだと考えられます。

今後は、市中感染確認者がゼロにならないことを前提に、医療機関や教育機関などを利用する人たちや従事者をまずは優先的に守る、という方針なのだと思います。

従って、今後は、単に市中感染者数の増減だけではなく、市中感染がどこでどのように、誰に対して広がっているのか、などの情報に注目する必要があると思います。

これは、たとえ市中感染者数が増加しても、症状が軽かったり、医療システムに負担がかからなかったり、12歳以下の子どもなどワクチン未接種者の間に広がる可能性が低かったりする場合は、アラートレベルの変更などの国や地域を挙げての対処がなされない可能性があるということにもつながると考えられます。

先日は、ニュージーランドに入国する人やニュージーランド航空に搭乗する人を対象に、ワクチン接種が求められることになるとアナウンスされましたし、昨日は、ワクチン接種を原則義務付ける職種が拡大することがアナウンスされました。

これらの情報から、ニュージーランドでは、現時点では、新型コロナウイルスの感染拡大に対して、国内に居住、滞在している人のワクチン接種率を上げることで対処することが主要な方針であることは明らかです。

これは、ワクチン接種率が今後の国の方針に大きな影響を与えるということを意味します。

今後、ニュージーランド国内のワクチン接種率が上がれば、国内の行動制限の緩和や、国外からの入国制限の緩和が行われる可能性もあります。

これからは、ニュージーランド国内のワクチン接種率が、いつ、どの程度まで上がるのか、が大きなポイントになってくると思います。

Mandatory vaccination for two workforces
https://covid19.govt.nz/alert-levels-and-updates/latest-updates/mandatory-vaccination-for-two-workforces/

COVID-19: Vaccine data
https://www.health.govt.nz/our-work/diseases-and-conditions/covid-19-novel-coronavirus/covid-19-data-and-statistics/covid-19-vaccine-data

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