全てに長けていなくても

いろんなことがとてもよくできる人がいる。

中学高校生で言えば、英語も数学も理科も体育もできて、放課後はスポーツで活躍し、芸術の才能もある。そんな人も学年に一人や二人くらいいる。

いわゆる文武両道を実践している人だ。すばらしいと思う。

でも、そんなことは誰もができることではない。言い換えれば、誰もが苦手な分野を持っている。

スポーツができても数学はさっぱりという人もいるし、音楽の才能はあるけれど運動は苦手という人もいる。どちらかと言えば、文武両道を実践している人よりも、苦手な分野を持っている人のほうが多いのではないか。

文武両道、何でもできる、はすばらしいけれど、全ての人がそれを目指す必要はないし、全ての人にそれを目指すことを求める必要もない。

だったら、多くの人は、自分の得意な分野をたとえ一つでもどんどん伸ばして行くのがいいのではないか。

数学ができるのなら、英語やスポーツや芸術をやる時間を削ってでもずっと数学をやっていればいいし、スポーツが得意なら、それを伸ばすために時間とエネルギーを集中させてもいい。

もちろん、いろんなことができるにこしたことはないだろう。でも、学校で習うこと全ての分野に長けている必要はないし、全ての人が全ての分野を伸ばして行きなさいというプレッシャーに耐えながら、自分の得意な分野に取り組む時間を削ってまで、いろんなことを一所懸命やらなくてもいいのではないか。

自分にとって、その人にとって、得意な分野は何なのか。それを見つけて、そこを伸ばす。そういう選択肢もアリなのだ、と多くの人が認めたら、もっと生きやすくなる人達がたくさんいると思う。

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