嫌いになってしまわないように

先日、何かのブログかニュースを読んでいると、興味深い記事があった。

一生懸命逆上がりを練習していた女の子が、やっとうまくできた後、「これでもう逆上がりの練習をしなくてもいいんだ」と言ったという。周りで練習につきあっていた大人たちはとてもショックだったそうだ。大人たちにしてみれば、小さい頃に成功体験を味あわせてやりたいという一心で、厳しいこともいい、励まし、声をかけ、アドバイスをしていた。そして、逆上がりができたら、その女の子はきっと、自信をつけて、鉄棒がすきになり、ひょっとしたら得意になるかもしれない、と思っていただろう。でも、その女の子はずっと全く違うことを感じていたのだ。

スポーツでも勉強でもそうだけれど、小さい頃の成功体験はとても大切だ。でも、いくら周囲の大人たちが達成感を感じさせるために一生懸命指導しても、結果的に子どもがそれを嫌いになってしまうのなら、何かが間違っている。

大人になって勉強やスポーツの世界で能力を発揮している大人たちは、きっと子どもの頃に達成感を感じ、成功体験を積んできたのだろう。そして、それぞれの世界では、そんな「うまくいった」人たちの声しか聞こえてこない。一方、一生懸命やったけれど、結果的にそれが嫌いになってしまったような人の声は表に出てこない。だから、そんな子どもがたくさんいるということにさえ気がつかない大人たちも多い。

だからこそ、周囲の大人たちは、勉強でもスポーツでも、慎重に丁寧に子どもたちに接する必要があるだろう。

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