またまた帰りは大変
先週の木曜日の朝から、ワンガヌイという町に仕事で行ってきた。
ロトルアから南に車で約4時間。パーマストンノースとニュープリマスの中間あたりにある人口約4万5千人の海の町だ。ロトルアからだと、タウポを通って、トンガリロ国立公園の西側の山道を抜けて、南下する。トンガリロ国立公園から流れてくる川が大きくなって海に流れ出るところに位置する町だ。
木曜日の朝出発し、午後にはワンガヌイの高校を訪問。一泊して、翌日もワンガヌイとその近辺の高校をいくつか回って、そのまま夕方に出発。金曜日の夜にはロトルアに戻る予定だった。
でも、金曜日は朝から激しい雨。高校の先生と話をしている時にも、外では音を立てて雨が吹き付けていた。金曜日最後の高校を訪問し終えたのが放課後の3時半。その日は、雨の中、夜に車で山道をロトルアまで帰ることを断念し、金曜日の夜はワンガヌイに一泊して、土曜日の朝にゆっくりと戻ることにした。
ところが、金曜日の夜から雨脚はだんだん強くなり、土曜日の朝も激しい雨が続いた。念のため、ワンガヌイのiSiteビジターインフォメーションで道路状況を聞くと、「今、ほとんどの道が土砂崩れと川の氾濫で、通行止めになっています。」という。「今から天気は回復するとの予報なので、午後から道路が開くかもしれない。」というアドバイスをもらい、カフェで仕事したりしながら時間を過ごし、午後1時頃もう一度iSiteに行ってみた。
「ワンガヌイの町から出る道は、全て通行止めです。」と険しい顔でスタッフに言われた。仕方がないので、土曜日もワンガヌイでもう一泊することにした。でも、宿のWifi はケーブル切断のため使えず、町のいくつかの店のEFTPOSも使えない状態だった。
翌日曜日、早朝は曇っていたものの、9時過ぎには青空が見え始めた。iSite に行こうと車を走らせていると町の中心部の道路が不通になっていた。よく見ると、ワンガヌイリバーがあふれて、川沿いの道が浸水していた。そしてiSite はその川沿いの道にある。つまり、iSite には行けないし、例え水の中を歩いて行ったとしても、おそらく誰も働いていない。
一難去ってまた一難。踏んだり蹴ったり。どちらかと言えば踏まれたり蹴られたり、という感じだ。 日曜日の朝、空は青空、道路は乾き始めている。
宿のオーナーに聞いてみると、「今、ワンガヌイから出る道は、全てクローズドだ。」と残念そうな顔で言われた。「チェックアウトはゆっくりでいいから、午後まで部屋を使えばいいよ。また後でどうするか、考えて知らせてね。」と笑顔で言われたのがせめてもの救いだった。
出られないものは仕方がない。せっかくなので、ワンガヌイを車で見て回ることにした。でも、人口4万5千人の町は、ほんの二時間で見て回ることができた。
日曜日午後1時半。もう一度宿のオーナーに聞いてみると、「ニュープリマスに通じる3号線だけ、たった今道路がオープンしたそうだ。ニュープリマスまで2時間。そこからロトルアまでは、おそらく4時間から5時間かかる。」と言われた。
町から出る方法が全くない時は決断する必要はなかったけれど、かなり遠回りでも、一つの選択肢ができたことで、決断を迫られることになった。ワンガヌイにもう一泊するのか、ニュープリマスに向かうのか。
日曜日の午後2時半、ニュープリマスに向かって車を走らせ始めた。途中、土砂崩れがあったり、大きな木が倒れていたりしたけれど、一車線は必ず走れるように片付けられていて、日が暮れる頃に何とかニュープリマスに到着することができた。仕方がないので、日曜日はニュープリマスで一泊した。
そして、昨日月曜日、朝ニュープリマスを出発し、昼頃にロトルアに戻ってきた。
木曜日の朝ロトルアを経ってから丸四日。一泊の予定が四泊もしてしまった。ニュージーランドは、何が起こるかわからない。まあ、それが楽しいといえばそうなのだけれど。
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