日本を捨てる?

ニュージーランドに移住したり長期で滞在したりする人に対して、「日本を捨てるの?」と聞く日本の方がいる。

私がニュージーランドに移住した17年前も、「ニュージーランドに骨を埋めるの?」とか「しばらく帰ってこないの?」と聞く方もいたし、移住や留学に関するネットの掲示板やSNSでも、「日本を捨てる」という言葉を見かけることもある。

ニュージーランドで17年暮らしている私個人の感覚を申し上げれば、「日本を捨てる」という感覚は全くない。おそらくニュージーランドで長期で暮らしている多くの方も同じ感覚だと思う。

17年前はまだインターネットも普及していなかったし、グローバルとか移住とかいう言葉はあまり聞かれなかったので、今よりも日本から海外に長期で出ようと考える人は少なかったと思う。でもそんな時代でも、「日本を捨てる」とか「骨を埋める」という感覚は私には全くなかった。どちらかと言えば、日本国内で引っ越しをする、くらいの感覚でニュージーランドにやってきて、生活を始めた。

今の若い世代は、おそらくもっと「軽い」感覚なのだと思う。日本から遠く離れていても、ネットを使えばリアルタイムで日本とつながることができるし、日本の情報も得ることができる。また海外移住や留学を考える人も増えていて、「自分だけ」という孤独感も以前よりは少ないだろう。

長期留学や海外移住と言うと「日本を捨てて海外に出る」と感じる方もまだいらっしゃるかもしれない。でも、実際に海外で長く暮らしている人は、生活する場所を少し変える、程度の感覚の人も多いだろうし、これからはそんな人も増えてくるだろうと思う。

やはり、海外に一度来てしまえば、日本で感じていたほどの距離は感じないのだと思う。

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