ドーピングからいろんなことを考えてみる
今年はラグビーのワールドカップが日本で行われる。また、来年は東京オリンピック・パラリンピックだ。
スポーツの大会では、ドーピングが問題にされる。ウィキペディアによると、
「ドーピング(英: doping)は、肉体を使うスポーツおよびモータースポーツの競技で成績を良くするため、運動能力・筋力の向上や神経の興奮などを目的として、薬物を使用したり、物理的方法を採ったりすること、及びそれらを隠蔽する行為を指す。
興奮とは逆に交感神経を抑制して、あがりなど精神的動揺を防ぐ薬物の使用も含まれる。
競技力向上を意図しない服薬や飲食物、サプリメントの摂取による「うっかりドーピング」を含めて、オリンピックや競馬など多くの競技で禁止されている。
現代では厳重な検査が行われており、発覚すれば違反行為として制裁を科される。」
となっている。もともとは、「成績を良くするため」に「薬物を使用したり」するアンフェアな行為をさしていたのだろうが、薬物の過剰摂取による死者がでたりして、選手の健康問題にもなっている。そして1986年には世界アンチドーピング機構、2001年には日本アンチドーピング機構が設立されている。
例えば、日本野球機構のアンチドーピングガイドによると、ドーピングが禁止される理由として、
1.選手の健康を害する
2.アンフェアである
3.社会に悪影響を与える
4.スポーツそのものをだめにする
の4つがあげられている。
私はもちろんドーピングには反対だし、禁止の理由も十分理解できる。
でもいろいろと調べてみると、「うっかりドーピング」などという言葉もあたりまえのように使われていて、「市販の総合感冒薬のほとんどにはエフェドリンなどの禁止物質が含まれて」いたり、「市販の胃腸薬の中には禁止物質の興奮剤ストリキニーネ(ホミカ)を含むものも」あったり、「病気の治療薬にも禁止物質」があったりする。
つまり、一般の薬局で手に入るような薬を服用しても、ドーピング検査で陽性反応が出ることがある。言い換えると、健康を害したときにそれを治療するために飲む薬がドーピングで禁止されている。もっと言えば、健康な身体に戻るために薬を飲むとドーピングと言われる。
これは、ドーピングを禁止する理由の一つである、1.選手の健康を害する と矛盾しないのだろうか。
また、「うっかりドーピング」というけれど、もともと「成績を良くするために薬物を使用」する行為をさしていたドーピングが、その目的を持たずに知らずに禁止薬物を使用するだけでドーピング認定されるのは、本来のドーピング禁止の理由と違う方向に行ってないだろうか、と、素人の私は思う。
それならいっそうのこと、健康を害しない薬物の使用を許可した、ドーピングスポーツ大会を実施してもいいのではないだろうか。健康を毀損する最低限の薬物だけを禁止して、成績をよくするための薬物使用は認める大会。
みんな使うのであれば、2.のアンフェアである、という禁止理由もクリアできるし、社会に悪影響を与えるとも言えないだろう。
私がそう考えるのは、スポーツ選手の身体は誰のものなのか、と思うからだ。選手自身のものならば、健康を害しないことを前提に、できるだけ成績を上げられる薬物使用を認めてもいいのではないかと思う。
また、ワールドカップやオリンピックは、競技を見る観客がいてこそ成り立つ大会だ。観客としては、「選手が限界に挑戦して、できるだけいい成績を出したり、すばらしいプレーをする」瞬間が見たいという人も多い。そこに健康を害しない薬物が使用されていてもいいと思う人や、とにかく今までの限界を超えた成績やプレーが出るのが見たい、という人もいるだろう。
ただ実際にはドーピングフリー大会など行われることはないだろう。
けれど、ドーピングに限らず、なんとなく「悪」だと思っていることを、突き詰めて考えなおして、後からどんどん建て付けが増えてきたルールを取っ払って、もう一度基本から考え直してみる、というのも面白いと思う。
何が目的なのか、何が理由となっているのか、フェアとは何なのか。そんなことを、ドーピングから考えてみるのもいいかもしれない。
参考サイト
http://npb.jp/anti-doping/chapter1.html
http://www.hyoyaku.org/doop/qaa.htm
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