魔女の宅急便

先日、ハミルトンに遊びに行った。ハミルトンは、ニュージーランドで4番目に大きな町で、人口は約131,000人。オークランドから車で約1時間半、ロトルアからだと約1時間15分の距離だ。ワイカト大学やWintecというポリテク、語学学校もあり、学生の多い町でもある。

大きな町で、若い人も多く、週末はショッピング街などもにぎわっている。ある家電屋さんに入るとDVDがたくさん並んでいて、その中に、宮崎駿監督などの日本のアニメのコーナーも設置されていた。2歳の娘にせがまれて、魔女の宅急便という映画のDVDを買って、家に帰って娘と一緒に観た。

ご覧になった方も多いと思う。13歳の魔女のキキという女の子が家族で暮らす家を出て、一人で自分の暮らす町を探して、そこで多くの人に支えられながら一人で仕事をして生きていく、という物語だ。小さな女の子が出てくる映画やドラマを観ると、最近はどうしても自分の娘と重ね合わせてしまう。キキという13歳の魔女が家を出るときに、お父さんとお母さんが涙を拭きながら見送るシーンがあるが、自分の娘もいつか家を出て行くのだ、などと考えると、物語の序盤であるにもかかわらず、自分の中では最も盛り上がってしまう。

そして、いつも思うのは、13歳や15歳でニュージーランドに高校留学をする、娘さんや息子さんを送り出す、日本の親御さんのことだ。多くの高校留学生は、日本の中学を卒業する直前か卒業後すぐにニュージーランドに一人でやってくる。新しい生活が始まる留学生自身も、不安と期待で一杯で、見知らぬ土地で見知らぬ人の中で、言葉も通じない環境でたった一人で生活していく。とても大変だと思う。そして、もう一方で、今まで、生まれてからずっと一緒に暮らしてきた娘や息子が出発した家で、遠くにいるわが子を見守る親御さんも、辛いという気持ちもあるだろうし、不安も大きいと思う。留学に出発する後姿を見送って、家に帰って娘や息子のいた部屋を見たりすると、なんともいえない寂しさを感じるだろうと思う。

それだけに、ロトルアで高校留学をする日本からの留学生は全員、きちんと面倒をみなければならないと思うし、親御さんの不安もできるだけ軽減できるようにしたいと思う。

来年もまたたくさんの高校留学生がロトルアにやってくる。今は不安も大きいだろうし、親御さんもご心配だと思う。でも、最初は戸惑いながらも、みんないろいろと考えて、いろんなことを感じて大きく成長していく。その成長を親御さんに代わってロトルアで見守りたいと思うし、できるだけ、いろんな意味で留学生活を楽しんで欲しいと思う。

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