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先日ある高校留学生と話をしているとき、その学生がこう言った。「将来、夢をかなえようを思うなら、今この年齢のうちにもっと自分に負荷をかけなければならないと思うんです。でも、負荷をかけるために挑戦したことが、失敗に終わるのが怖い。自分で矛盾したことを言っているのはわかっているけれど、失敗することが怖くて仕方がないんです。」
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その学生に、「若いんだから、失敗を恐れずになんでも挑戦すればいい。」と言うのは簡単だ。そう言えばその留学生も「わかりました。」というだろう。

でも、言うのは簡単だが、失敗を恐れずに挑戦するというのは、歳をとってからでも難しい。いや、歳をとってからのほうが難しいだろう。失敗するのは怖い。何か新しいことに挑戦しようとしている時、「失敗したらどうしよう。」とか「失敗するのは嫌だ。」とか思ってしまう。思ってしまうというよりも、そう感じてしまう。感じてしまうのは感情の問題だから、なかなかコントロールがきかない。怖いと感じているときに「怖がらずにやってみなさい」といわれても、怖いものは怖い。恐怖心というのは頭で理解できてもなかなかその感情を抑えることはできない。

ならいっそうのこと、「失敗を恐れながらやりなさい。」とアドバイスするほうがいいのかもしれないと思う。あるいは、「失敗してもいいからやりなさい。」とか「失敗することを前提に挑戦しなさい。」と言ってもいいのかもしれない。

当然、そういわれればやる気もなくなって、挑戦しなくなる人もいるだろう。失敗するとわかっていながら挑戦しろと言うほうがさらに難しい。

でも、実際は、10回新しいことに挑戦して、10回とも何もかもうまくいく、ということはほとんどない。私の数少ない経験からしても、10回のうち3回うまくいけばいいほうだ。後の7回は、何かしらうまくいかない。全て完璧にうまくいくことだけを成功と呼ぶのであれば、ほとんどが失敗だ。

ただ、自分を成長させるために自分に負荷をかけるというのなら、うまくいったことよりも失敗から学ぶことのほうが、はるかに多く、そして身につく。うまくいく時は、運もあるだろうし、他の力も加わっているのだろうけれど、一つには、自分の持っている技能や知識、判断力などが十分だったとも言えるだろう。そして、失敗する時は、自分の能力がまだ足りない場合もおうおうにしてある。そういう、力のない自分自身を嫌でも目の当たりにするのは、「いったいこれからどうすればいいのか。自分をどう変えればいいのか。」と自分自身に問う、いい機会になる。そして、その問いの答えを見つける過程で、人は成長するのではないだろうか。

「失敗を恐れずに挑戦しなさい。」と言うのは、「全てがうまくいきますよ。」と言っているのでは決してない。それは、「うまくいけばそれはそれでいい。けれど、うまくいかなくても、そこから学ぶことができるし、失敗を通して成長することができる。だから、挑戦することこそが、成長することにつながるのだ。」ということなのだと思う。