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世界同時不況だそうだ。アメリカも当然のことながら、日本も、ニュージーランドでも、ニュースでは毎日毎日不況だと言っているし、今年はどんどん景気が悪化するとも言われている。

おそらくそれらは正しいのだろう。いわゆる派遣切りで非正規労働者が大量に解雇されているし、トヨタやパナソニックやニーなど日本を代表する世界的な大企業が軒並み赤字を計上している。日本の失業率は上がり、アメリカのスーパーボールでさえCM枠が売れ残ったという。

天邪鬼な私などは、「みんなが口をそろえて言うこと」や「全体の雰囲気がなんとなく同じ方向を向いていること」などに対して、本当にそうなのか?とついつい考えてしまう。でも、本当に世界同時不況なのか、などと問えば、解雇された上に住居も失った方々から、「何を言っているのか。現実の厳しさがわかっているのか。」とお叱りをうけるだろう。確かに、職がない、住居もないという方も増えているということだし、それが個人の責任ではなく、社会構造的な問題や政治の問題にも起因しているのであるならば、本当に不況なのか、などととぼけたことは言っていられないだろう。私も、その日の生活に困るという状況に置かれている方々がたくさんいることは理解している。

しかし、YOMIURI ONLINE の1月30日の記事などを読んでいると、世界同時不況と言いながら、その日の生活に困っている人よりも、ある程度の余裕を持って生活をしている人のほうが実は想像しているよりもかなり多いのではないか、と思わされる。

記事は、「不況に負けないWii、DS…任天堂、売上高最高に」というタイトルで、任天堂が2009年3月期連結決算の売上高が、過去最高の1兆8200億円、税引き後利益は2番目に多い2300億円になるとの見通しを発表したことを伝えている。さらに、家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」や携帯型「ニンテンドーDS」の売り上げが、年末商戦でも伸び、営業利益が5300億円と過去最高を更新すると伝えている。これは、不況で外出を控え、家で過ごす「巣ごもり消費」が増えているからとのことだ。

上のニュースを簡単に言えば、世界同時不況だからゲーム機やゲームソフトを買って家で遊ぶ、ということなのだろう。確かにそれ自体は理解できる。ただ、連日ニュースで流れてくる派遣切りなどの不況の映像と、ゲーム機のニュースのイメージに、大きなずれがあるように感じる。世界同時不況で派遣切りが行われ、多くの人が職や住居を失い、ネットカフェ難民が増えている、とテレビで何度も何度も繰り返し報道されている一方で、年末にゲーム機とソフトを買って遊ぶ人が増え、ゲームメーカーは、過去最高の売り上げを上げている、と伝えられる。

これをどう理解すればいいのか。やはり、世界同時不況であることは間違いないが、全ての人がすぐに生活に困るような状況ではないし、報道されているニュースが作り上げている不況の雰囲気と、現実に暮らしている我々が感じている自分の周囲の雰囲気とが、実は違うのではないかとも思う。

マクロ経済について全くの素人の私が言うのもなんだが、経済は、消費者が実際に消費をするかどうかにも大きく影響されるが、それと同時に、消費者がどれだけ消費意欲を持つかにも影響されるのではないだろうか。そういう意味では、ゲーム機は世界同時不況の中、消費意欲を向上させたとも言える。

逆に言えば、繰り返し伝えられる派遣切りなどの報道が実際に我々の感じている周囲の雰囲気と違う間はいいのだが、人々があまりにも世界同時不況というマイナスの雰囲気を感じ過ぎて、それが実際の自分の周囲の雰囲気であるように錯覚し、それゆえに消費意欲をなくしてしまうようになれば、いっそう不況は深刻化していくのではないだろうか。

だから、任天堂が売上高最高にというニュースはとてもいいニュースで、この事実こそが多くの方が感じている現在の自分の周囲の雰囲気で、世界同時不況ということばからあふれてくる雰囲気は、今のところ全ての人が感じている雰囲気ではない、と思う。こう考えることによって、少しでも消費意欲が高まり、それが実際の消費につながっていくことが、逆説的になるが、この世界同時不況の広がりを少しでも食い止める方法なのだと思う。