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今年の新入社員意識調査というものの結果を見た。

財団法人 日本生産性本部(旧 財団法人社会経済生産性本部)というところが、1990年から毎年行なっている調査結果だ。約2,400人にアンケートを実施している。

この調査によると、今年は、

1.担当したい仕事は「チームを組んで成果を分かち合える仕事」が過去最高(83.5%)
2.「今の会社に一生勤めようと思う」が昨年に比べ大幅に増加、過去最高(55.2%)
3.「良心に反する手段でも指示通りの仕事をする」が過去最高(40.6%)
4.「仕事を通じてかなえたい『夢』がある」が4年連続で増加、過去最高(71.6%)

という結果が出たそうだ。これらの調査結果だけをみて、今年の新入社員はどうだこうだと言うことはできないが、意外だったのは、今の会社に一生勤めようと思うと回答した人が、2000年の20.5%を最低として年々増加していて、今年は半数を上回ったということだ。今年の日本の新入社員は、就職活動を開始したときはまだ売り手市場だったけれど、内定後に景気が急激に悪くなり、内定取り消しなどが大きく社会的なニュースになった人たちだ。だから、いつ足元が崩れるかわからないという不安定感があるのかもしれない。それにしても、「一生」今の会社に勤めようと思っていると回答した人の割合の多さが、とても印象的だ。

ニュージーランドでは、一生同じ会社に勤めるということ自体があまり多くないことだし、ニュージーランドに留学に来る20代、30代、40代の年齢の人たちは、日本での仕事を辞めて来る場合がほとんどなので、自分も含めて、仕事を辞める、転職するということに抵抗があまりなく、日本の特に新入社員の感覚とは離れているのかもしれない。

まあ、調査対象者が、男性約75%、従業員数300人以上の会社に就職した人が約84%、第一志望の会社に入った人が約77%、そして、調査が100年に一度の不景気の真っ只中である今年の春に行なわれたということも、結果に影響しているのだろうとは思う。

10代や20代の留学生と話しをしたり、ニュージーランドの人たちと話をしたりしていて、「今の若い人たちは、」とか「今年の新入社員は、」とか、世代別にひとくくりにすることはあまり好まないし、正しい方法だとは思わない。ただ、このような調査結果は、今の時代のある程度の意識をおおよそは表しているのかもしれないとは思う。

この財団法人 日本生産性本部は、毎年新入社員のタイプを一言でネーミングするということも行なっている。今年の新入社員のタイプは、「エコバッグ型」だそうだ。この財団法人によると「エコバッグ型」は

「環境問題(エコ)に関心が強く、節約志向(エコ)で無駄を嫌う傾向があり、折り目正しい。小さくたためて便利だが、使うときには大きく広げる(育成する)必要がある。酷使すると長持ちしない(早期離職)が、意外に耐久性に優れた面もあり、活用次第で有用となるだろう。早く消費を上向かせ、エコバッグを活用する機会を増やしたいものである。」

ということだ。

いつの時代も、新入社員や若い人たちに対しては、「自分達とは違う」とか「理解できない」という見方も多い。でも、私が10代、20代のときも、新人類などと呼ばれたし、おそらく新入社員の時、先輩達から理解されていなかっただろうし、扱いにくいと思われてもいただろう。その私の世代が、今、新入社員について同じようなことを言っている。そもそも考え方も感じ方も行動も同じような新入社員であれば、新たに採用する必要もない。違う感性を持った人が入ってくるほうが、会社も活性化するだろうし、時代にもついていけるのではないだろうか。