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10年以上前になるが、数学者の秋山仁氏の話を聞いたことがある。

講演会で自身の経歴と数学の面白さについて話をされた。興味深い話が多かったが、一番印象に残っているのは、「小学生の時、学校で昇降口に設置されている生徒用の靴入れに、自分の靴を指定された場所に毎日きちんと入れることができていた人は、数学の基本的な能力がある。」という話だ。

例えば、十段15列の靴入れがあって、自分の靴を入れる指定された場所が下から6番目の左から5番目だとすると、その場所にいつも靴を入れる能力は、数学の座標の基本を理解する能力と同じである、ということだ。x が5、y が6の位置に自分の靴を入れるということを毎日行なっていたことになるらしい。それを聞いていた数学の苦手な人の多くは、自分も数学ができるのではないか、と少し自信がついたのではないだろうか。私も数学は苦手で、高校時代、アルファベット以外の文字がたくさん出てきた時点で、別れを惜しみながらも数学とさようならをした経験がある。以降、今日までこちらから連絡をとったことはないが、秋山氏の講演を聞いた時には、久しぶりに自分から数学にコンタクトをとってみようかな、と少し考えた。

昇降口の靴入れに靴を入れることができたからといって、数学の難しい問題がどんどん解けるということではない。しかし、秋山氏が言いたかったことは、難しい数式や記号などの知識がないからといって、数学的思考能力がないということにはならない、ということだと思う。また、日常生活の中に数学は入り込んでいるということも言いたかったのかもしれない。数学独特の記号などの知識が邪魔をして、数学的思考能力を伸ばすことができないのはもったいない、という観点から、数学の勧めを説いていたのだろう。

大人になってから、数学を勉強しなおすのも面白いかもしれない。