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私が大学を出て就職するときは、日本はバブル景気が真っ盛りの頃だった。その頃人気の就職先は銀行や商社などで、大学の学部の人気も経済学部や経営、商学部などが中心だった。当時、私のような天邪鬼が文学部に行くというと、将来のことは考えていないのか、と友達に言われた。
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まあ、本当にその頃は将来のことなどあまり真剣に考えていなかったから、友達にそういわれると、「はいそうです。」としか言えなかったが、なんとなく取り残されたような気分も少しだけしていた。その後、バブルがはじけて大手の証券会社が倒産したりして、経済学部や商学部出身者も将来を見通せない時代が来た。大学に入学してからわずか10年程度で、世の中が激しく変わった。それに伴って人々の考え方や価値観も変わり、就職先や仕事を選ぶ基準も変わった。そして、経済学部や商学部を選ぶ学生よりも、情報関係や看護、そして国際関係など他の学部に行く人も増えてきた。

大学の学部の人気というのは面白くて、「その時の社会」を敏感に反映している。バブル景気の頃は経済学部や商学部が人気で、高齢者社会になるという話題がマスコミをにぎわしている時は看護や福祉学部が人気で、情報化社会が近づいてきたということになれば情報関連の学部が人気になる。高校生はその時に人気の学部に入りたがる。それは、大学を卒業してからの就職や仕事のことを考えるからだ。

しかし、「その時の社会」が将来の社会と同じとは限らないことは、バブル景気が証明している。バブル景気の頃、経済学部を出て証券会社に就職したけれど、想像していたような生活ができなかったという人も多いだろう。その時の社会を反映している大学の学部の人気も、将来の社会に適さないこともある。

最近クラウドコンピューティング(Cloud Computing)という言葉を耳にすることが多くなってきた。私はコンピュータにあまり詳しくないので、正確に理解しているかどうかわからないが、私の理解で大雑把に言えば、このクラウドコンピューティングによって、今までのように各自が使っているコンピュータにソフトウェアやデータを入れておく必要はなくなり、クラウドコンピューティングを運営するある企業が管理するサーバーコンピュータに全てストアされるようになる、ということだと思う。つまり、今まで企業に必要だったIT技術者の多くが必要なくなるということだろう。大きな企業がアウトソーシングしていたIT関連の仕事も、その必要がなくなるかもしれない。ほとんど全てを、クラウドコンピューティングを運営するある企業に任せてしまうことになる。最終的には、どの企業にクラウドコンピューティングを任せるのかということだけが、大きなポイントとなってくるかもしれない。

そうなれば、IT技術者と呼ばれている人たちの仕事が急になくなることも予想される。これからはインターネット社会でIT技術者がしばらくは必要だと言われているが、クラウドコンピューティングの発達の仕方によっては、大きな方向転換が行なわれるかもしれない。ちょうどバブル景気が崩壊したときのように、IT業界もこれから数年の間に大きく変わる可能性がある。

時代は10年もすれば大きく変わる。今人気の仕事でも、10年後はどうなっているかわからない。そして時代の変化は最近は急激にやってくる。昨年の同じ季節と今の状況がかなり違うこともあることは、実感として多くの人がわかっていると思う。そんな時代に、将来の仕事や就職のことを考えて勉強する内容を選ぶというのは、かなり難しい。

それならばいっそうのこと、自分が好きな、興味のあることを大学やポリテク、専門学校などで勉強してみるのもいいのではないかと思う。それがその時の社会に適さなくても、将来も適さないということは、誰も言えないだろう。