書籍の電子化
iPad というものも発表されて、書籍の電子化についてのニュースを以前よりもさらにたくさん目にするようになった。
ひょっとすると近い将来、iPad などのデバイスを使って今読んでいるくらいの多くの日本の書籍をダウンロードして読めるようになるかもしれない、という。
海外に住んでいて困ることの一つに、日本の本を現地では買えないということがある。海外といっても街によっては日本の本が買えるところもあるし、最近はインターネットで注文して海外まで送ってくれるサービスもあるだろう。でも、日本で買うよりも輸送費などの費用がプラスでかかることが多い。本の海外発送を頼むと、届くのに1週間から8週間程度の時間がかかるうえに、重い本に対する輸送費がかかる。
だから特に海外に暮らしていて、日本の本がダウンロードできるようになることは、とてもうれしい。しかも、その価格が紙の本よりも安ければ、なおいい。電子書籍になると、1冊あたりの価格が安くなるという話もあるようだ。紙や印刷の値段、流通の費用がなくなるのだから、その分コストも低くなるのだろう。
電子書籍が一般的になるまでには、著作権の問題や既存の出版社、流通、書店などの問題、作家育成の問題など、クリアしなければならないことがたくさんあるだろう。でも、本が売れないという現実の中、電子書籍にシフトしていく流れはおそらく止めることはできないだろうと思う。
インターネットが普及してから、文字、画像、音、動画などのデータだけが、回線の中を行き来するようになった。新聞はもちろん、音楽も今やダウンロードして購入するのがあたりまえになったし、映画のビデオのレンタルもダウンロードできるようになっている。以前のように、紙に印刷した新聞を購入して持ち歩いたり、CDを買ってCDウォークマンで聞いたり、ビデをを借りてきて家のデッキで再生したりする必要がなくなった。あらゆるデータが回線を通してやり取りされることで、紙やディスクといったフィジカルな媒体が不要になった。
データを一旦フィジカルな媒体に入れてから移動させるというのは、考えてみればとても面倒くさいものだ。データをデータのまま世界中で移動させることができれば便利だ、と考えて、その方向に進んでいくのは当然の流れだと思う。新聞も、音楽も映画も、そして本も同じだ。
新聞、音楽、動画がすでにオンラインで購入できるようになっているのに、本だけがまだ一般的に普及していないというのも変な話だ。iPad の出現によってそれが一般化するきっかけになるように思う。
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