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先日このブログでも書いたが、ロトルアの姉妹都市別府市からロトルア図書館に日本語の本が多数寄贈された。大人向けの本もあるが、子ども用の絵本もたくさんある。早速借りてきた。

子ども用の絵本を読むのは好きだ。そして今回借りた本の中に面白い本があった。「ふうせんねこ」「いやだいやだ」「きれいなはこ」など、福音館書店から出ている、せなけいこさんが書いた本だ。

絵本には多くの人がハッピーエンドを期待する。そして絵本の多くはハッピーエンドだと思う。例えハッピーエンドでなくても、悲しみを誘うようなしっくりとした結末になっていることも多い。でも、「ふうせんねこ」「いやだいやだ」「きれいなはこ」などは、ハッピーエンドではないし、えっそれで終わり?という肩すかしを食らったような終わり方だ。

ねこが怒って、片付けるのは嫌だといったりお菓子が食べたいといったりしているうちに、顔がだんだん風船のように膨らんで、空に舞い上がっていって、最後は、「ぷーぷーねこは どこ いった かあさん やねで よんでいる」でおしまいだ。全く救いがない上に、落ち着かない。

でも、この落ち着かなさがなぜか心地よい。ハッピーエンドではないけれど、それがまたいい感じだ。予定調和をまったく排除している。この心地よさは、例えて言えば、カルピスに牛乳を入れて初めて飲んだときの「意外とおいしいかも」という感じにほんの少しだけ似ている。それはちょっとダメだろう、と経験する前には頭で考えるが、経験してみると意外といける。そんな読後感がある。

日本の図書館にもきっとあるだろう。一度読んでみてはいかがでしょう。