きちんと主張する
このブログでも何度か書いたかもしれないが、ニュージーランドで、例えば家の中の何かが壊れたり、調子が悪くなってそれを直してもらう時、スムーズに行かないことが多い。
先日うちのホットウォータータンクが壊れたが、新しくガスユニットをつけてお湯が出るまでに、約6週間かかった。また、ある大型家電を電気屋さんで購入したとき、配達前に必ず電話をして配達日を確認してから行くよ、と言っていたが、結局は突然配達された。たまたま家族の一人が家にいたからよかったものの、誰もいなかったらどうなっていたのだろうと思う。
そして、そのことに文句を言っても、「Sorry」で終わることもしばしばだ。時間がかかっても、約束どおり電話をしなくても、「ごめんなさい」で全て終わる。
だからこちらも最初から、完璧にスムーズにことが運ぶことは全く期待していない。電話するよ、と言われても、きっとかかってこないだろうとどこかで思っているし、すぐ行くよと言われても、きっと長い時間かかるのだろうと思う。ニュージーランドで暮らしていると、そういう風に考える習慣が身についてしまう。
そして何かトラブルがあったとき、それは小さなトラブルでも大きなトラブルでも、「Sorry」と言ってくれればまだいいのだが、時には、「そんなことは聞いていない」とか「そっちに責任があるので、お金を支払え」などと言われることもある。どう考えてもトラブルの原因はこちらにはないのだが、そんなときでも、こちらに責任があるように言われることもある。まったく言いがかりとしか言いようがない。
だから、こちらに全く責任がないと思っている時には、相手に対して毅然とした態度で臨むことが必要だ。そうしないと、相手はこちらをいわゆる「なめて」かかる。特に英語がネイティブでない移民などに対しては、「強く言えば思う通りにいく」と思われることもあるだろう。
主張すべきところはきちんと主張する。自分に責任がないと思っていたら、必ず相手にそれを伝える。お互いがそうやってバランスを取りながら、生活をしている。それがニュージーランドだ。お客様のほうが上だとか、お金を払っているのだから無理を言っていいとか、そういう「常識」は当然ニュージーランドには全くない。売るほうも買うほうも対等だ。だからこそ、大切な売買や取引には、書面で契約を交わす。何かトラブルが起こったら、その契約に基づいて処理をする。そういう社会だ。
いろんなことがスムーズに運ばない。それを予期して、何か起こったときには、立場にかかわらず自分の主張をきちんと行う。そうやって生きていかなければならない。だから、長く留学していたり、長く住んでいたりしたら、知らず知らずのうちに、自分の主張をきっちりとできる力も身につくのだと思う。少なくとも、自分の主張をしなければことが進まない、ということくらいは気がつくだろう。
いろんなことが起こるニュージーランドも、決して悪くはないのだ。
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