自ら問いを立てるところから始める

以前にもこのブログでも書いたけれど、十代の留学生の中には、我々のどんな質問に対しても、「正しい答え」や「求められている答え」を探して返事をしようとする人がいる。

大人からの質問に対しては、問われている意図をよんでそれに対する正しい答えを返そうと、反射的に行動してしまうのだと思う。

そんなに正しい答えを探そうとしなくてもいいのに、と思う。ニュージーランドの小学生も中学高校生も、そんなふうに行動しない人が多い。

さらに言えば、十代の留学生の多くは、大人は自分に何かを聞いてくる存在で、自分はそれに対して何かを答える立場だ、と思っている人もいる。確かに、中高生が大人と対等に話をするシチュエーションは少ない。でも、いつでもどんな大人とも、質問とそれに対する返答、というコミュニケーションだけではないだろうとも思う。

十代の留学生に伝えるとすれば、大人とのコミュニケーションに限らないけれど、いろんなことに対して自分から問いを考える習慣をつけてみるのもいいと思う。

何か困ったことが起こったら、なぜこんなことが起こったのだろうとか、具体的に何が起こっているのだろうとか、その問題には誰が関係しているのかとか、どのようにしてそれが起こったのか、そして、いつどこで起こったのか、などと問いを立ててみる。そして、その答えを自分から考えてみる。

それがうまくいけば、今度はその問題の解決方法についてまたいろいろと問いを考えてみる。

そして、自分で立てたそのたくさんの問いに関して周囲の大人とコミュニケーションを取るようにすると、単に大人の質問に正しい答えを返すだけ、という関係が変わるだろう。

だから私達も留学生に対しては、できるだけ問いを考えてもらうようにサポートし、その問いに対する答えを一緒に考えて行くようにしたいと思っている。

時間はかかるし、大変だけれど、やはり自ら考えて行動する態度を身に付けてもらうためには、まずは自ら問いを立ててみる、という経験から始めるのがいいと思う。

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