ファーストネーム

ニュージーランドの人たちは特にかもしれないが、お互いをファーストネーム、日本語で言うと下の名前で呼び合うことが多い。

仕事で会うだけの関係の場合でも、お互いをファーストネームで呼ぶし、Email にもお互いファーストネームを書く。「Hi, Gail」とか「Hello, Chris」とかだ。以前に日本の高校で英語を教えているアメリカ人の先生が、研修旅行で学生と一緒にロトルアにいらしたときに、ロトルアの高校の先生が私をファーストネームを呼んでいるのを聞いて、「あなたはこの学校の先生にとても人気があるのですね。」というようなことを仰っていた。確かにロトルアの高校の先生とはよく連絡をとっているし、中には仕事以外でもお付き合いのある方もいるから、ファーストネームでも私は違和感ないのだが、そのアメリカ人の先生から見ると、高校の先生がエージェントのことをファーストネームで、しかも仕事中に、しかも高校の敷地内で呼ぶのには違和感を持ったのかもしれない。

でも、ニュージーランドの高校生が自分の先生を呼ぶときには必ずサーネーム、日本語で言えば苗字で呼ぶ。「おはようございます、ミスター・シモンズ」とか、「こんにちは、ミセス・ウォーカー」とかだ。そしてそうしないと、学校の先生から怒られることになる。だから、ニュージーランドでは、学生が先生を呼ぶときには正式には、ミスターやミセスなどを付けて苗字で呼ぶ。

ただ、子どもが自分の友達のお母さんやお父さんの名前を呼ぶときには、ファーストネームで呼ぶことが多い。私の6歳の娘の友達も私のことをファーストネームで呼ぶ。最初は6歳の子どもからファーストネームで呼ばれることにかなり違和感を持ったが、今では普通になった。そして日本ではどう呼ぶのだろうと考えてみると、ほとんどの場合「○○ちゃんのお母さん」とか「△△君のお父さん」とか呼ぶのではないだろうか。決して友達のお母さんをファーストネームで呼んだりはしない。友達のお母さんのことを「サオりは最近元気なの?」とか友達のお父さんのことを「君んちのタダシはなんの仕事しているの」などとは絶対に言わない。そんなことをしたら失礼を通り越して、「君達どんな関係なの?」ということになる。

日本から来た留学生同士でも、ニュージーランドで初めて出会う場合は、おそらくみんなファーストネームで呼び合っているのだと思う。同じファーストネームの人がいる場合でも、苗字ではなくて「1号、2号」とか呼んでいることもあるようだ。そしてずっとファーストネームで呼び合っていると、「あの子の苗字はなんだったっけ?」という話にもなるし、1年くらい一緒に留学していても、苗字は知らずに帰国した、という人も多い。

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