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子どものうちからタブレットやパソコンに触れさせておくと、大人になって勉強や仕事で使うときに戸惑わなくても済む、という意見がある。

確かにそうかもしれない。でも、今使っているタブレットやパソコンのソフトが、数年後にそのまま流通しているとは限らない、というよりも、おそらく数年後にはなくなっているだろう。今触れているソフトが使えなくなる日は、近々やってくる。

例えば、数年前にウインドウズのXPの操作を覚えた人が、急にウインドウズの8を使わなければならなくなったらどうなるだろう。遅くてもXPのサポート期間が切れる来年の4月には、そんなことが世界中で起こる。おそらく2種類のグループに分かれるだろう。一つのグループは、なかなかウインドウズ8を使いこなせない人達。もう一つのグループは、ウインドウズ8になっても、数日もすればXPを使っていたときと同じくらいスムーズに使いこなす人達だ。

何が違うのかと言えば、パソコンの操作を「手順」として理解しているか、「体系」として理解しているか、の違いだと思う。手順として理解している人は、「まず、スタートボタンを押して、その中からワードを選んで、ワードのページ設定から、余白を設定する」などと、一つ一つ操作の順番を頭に入れることで、パソコンを使っている。一つでも手順が違うと、操作を続けられない。一方、体系として理解している人は、「アプリケーションソフトを立ち上げるところがどこかにあるから、そこからワードを選んで立ち上げて、余白を設定する項目を探して、設定する」というように、全体の中で何か必要かの体系を考えながら操作をしている。

だから前者の人達は、OSが変わってスタートボタンがなくなったりしたら、最初の手順が消えてしまうことになるので、もうどうしていいのかわからない。でも、後者の、体系として理解している人は、スタートボタンに変わる何かがあるはずだ、とか、スタートボタンを何かの操作で出すことができるかもしれない、などと考えて、トライしてみる。

今の子ども達は、勉強や仕事で必ずタブレットやコンピュータを使わなければならないだろう。そのときに備えて身に付けておくべき能力は、コンピュータの操作を手順として覚えるスキルではなく、どんなソフトが出てきても、それらを体系的に把握して操作できるスキルだ。

だから、子ども達にコンピュータの操作を教えるときには、今あるソフトの手順を教えるのではなく、コンピュータとはどんな方法で動いていて、人はそれらにどのように働きかけながら動かしているのか、という基本的な体系的な考え方から教えることが大切なのだと思う。そのためには、数学的な思考能力、論理的に考える能力などが必要だろう。

コンピュータを教える前に、数学的思考能力、論理的思考力を伸ばすことが必要で、それらの能力があれば、具体的な手順を教える必要はほとんどないと思う。