最近は、文字や文章を書くのは、もっぱらスマホやパソコン、タブレットを使う方がほとんどだろう。
今日のToDoリスト、メモや備忘録、日記、メッセージやメール。ほとんどすべてデジタルで、指の先で入力する。
でもたまに時間のあるときに、紙に筆記用具で、手書きで文字や文章を書いてみる。まったく同じことを書いているのに、デジタルデバイスを使うときと何かが根本的に違う。
紙を机の上に広げる。小さなメモでも、A4の真っ白な用紙でも、分厚い日記帳でも。それを取り出して、机の上のちょうどいい場所に広げる。
筆記具を取り出す。ペン、鉛筆、シャープペンシル、万年筆、筆、色鉛筆。まずどんな用具を使うかを考えて、その中でどれを使うかも考えて、選ぶ。それを手に取り、書き易いようにしっかりと握る。
何を書くのかを考える。眼の前の紙の余白を眺めながら、利き手に筆記具を持ちながら、ゆっくりと考える。
書く。筆記具が紙にあたる。わずかなはね返りを感じる。紙の上を滑るように書くこともあれば、紙に深い溝を作っていくように書くこともある。
行の最後を考える。メモなら句読点を行頭に持ってきてもいいけれど、禁則処理を自分で整える場合もある。行の途中で文字の大きさや間隔を変える。
手が疲れてくる。書きたい文は頭の中にあるけれど、手がそれについていかないことがある。休む。その間に頭の中が変化する。書きたいことが薄れていくこともあれば、どんどん深くなっていくこともある。
読み返す。書いているときは書いている部分だけに集中している。全体を最初から読み返すと、文の校正だけではなく、文字が変化していることに気づく。誤字もある。一文字一文字の大きさも違う。
手書きは、「手で書く」という行為は、指先だけでなく、五感で何かを常に感じながら進めていく。それに脳の働きも加わる。
表現された文字や文章に、そのときの、その人の、感情、体調、姿勢、視点、動きさえ内包されている。その文字や文章を読み返したとき、その人がそこから何かを感じ、変化する。
それは、どこかエクササイズと似ている。身体も脳も感情も五感も、すべてを動員して、アクティブに動くことで、自分のなにかが変化する。成長と言ってもいいかもしれない。
紙に手で書くという行為を、実は人間はまだどこかで欲しているのかもしれない。
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