オールブラックスでも負ける
ラグビーファンでない方も、ニュージーランドには興味のない方も、オールブラックスという名前はご存知の方も多いと思う。
ニュージーランドのラグビー代表チームの名称だ。名前の由来については諸説あるようだが、一時期を除いてユニフォームはずっと黒。試合前のハカも有名だ。
2011年の自国開催のワールドカップに続いて2015年のイングランドでのワールドカップでも連続優勝し、チームのランキングはずっと一位をキープしている、疑う余地のない世界一強いチームだ。そして先週末のアイルランド戦までは18連勝だった。
そのオールブラックスが、ニュージーランド時間の11月6日日曜日朝に米国のシカゴで行われた試合で、アイルランドに敗れるという大波乱があった。
アイルランドはその試合まで111年間、29試合をオールブラックスと戦い、一度も勝ったことがなかった。そして今回の試合も、誰もがオールブラックスが負けることは想定していなかったと思う。
それが、前半を終わって25対8とアイルランドがリードし、後半オールブラックスが連続トライで33対29まで追い上げるも、結局40対29でアイルランドが勝利。歴史に残る試合となった。
試合後ニュージーランドでは敗因をいろんな人が分析している。ペナルティが多かったとか、ラインアウトがよくなかったとか、危険なタックルでイエローカードが出ている間にトライを重ねられたのがまずかったとか、いろいろあるけれど、世界一のチームが111年間29試合一度も負けたことがなかったチームに対して、小さくてもいろいろな原因があれば負けるのだ、ということは間違いない。
やはり、どんなに強いチームでも、勝ち続けることはとても難しい。逆に言えば、どんなに強いチームに対しても、勝つことはできる。
少し大げさに言えば、今勝ち続けている人でも、いつかは必ず負ける時が来るし、ずっと負け続けていた相手にも、いつか必ず勝てる時が来る。
オールブラックスは、11月13日にローマでイタリアと対戦後、20日にはダブリンでまたアイルランドと試合をする。オールブラックスファンとしては、その後27日のパリでのフランス戦も含めて3連勝して今年のツアーを締めくくってほしいところだけれど、18連勝の記録で止まった後、また再び勝ち続けることができるのか。オールブラックスファンだけではなく、世界中のラグビーファンやニュージーランドファンも、注目の3試合になりそうだ。
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