雨にぬれる洗濯物

最近雨が多い。

雨の日にふと近所の庭先を見ると、たくさんの洗濯物が干してある。急に雨が降ってきたというのではなくて、午後から大雨、その上風も強くて、一言で言えば嵐、という日の夕方でも、洗濯物は物干しにぶら下がっている。もちろん、洗濯機の中で回っている時よりもべちゃべちゃだ。ニュージーランドの物干しは、大きな四角形の回転式のものが多いから、嵐の中で雨にぬれながらクルクル回っている洗濯物は、洗濯機の中で回っている時ときっと同じ気分だろうと思う。既に、干す、という概念からは全く遠い所にいる。

何故雨の日でも、洗濯物を干しっぱなしの家庭が多いのだろう。ずっと疑問だった。そういえば、留学生のホームステイ先でハウスルールなどを聞くと、どの家庭でも、「洗濯は週に1回か2回するので、前日の夜までにかごに入れて出しておいて。」と言われることが多い。週に1回か2回の洗濯。もし雨の日に洗濯をしないと、週1回か2週に1回の洗濯になる。とすると、洗濯をすると決めた日には、たとえ雨でもきっと洗濯をするのだろう。そして、午前中晴れていれば、午後から雨の予報でも、庭に洗濯ものを干すのだろう。

私のニュージーランドの友人でも、毎日洗濯をする人はいない。ほとんどが週に1回か2回だ。理由は様々だが、習慣だという人もいるし、水がもったいないという人、電気代の節約という人、仕事をしているので時間がないという人などがいる。

洗濯もそうだが、洗髪も同じだ。毎日お風呂で髪の毛を洗う、という人はニュージーランドでは少数派だろう。子どもでも、週に2~3回しか洗わないという親御さんも多い。大丈夫だろうか、と思うけれど、きっと大丈夫なのだろう。

でも少し思い出してみると、私が子どもの頃は毎日髪の毛を洗うことはなかった。まだ家にシャワーがなくて今で言うバスタブだけだったし、お風呂場の蛇口からはお湯が出なかったので、洗髪をするときでも、バスタブの中のお湯を洗面器で汲んで洗っていた。だから毎日髪の毛を洗うことはなかった。その時代はほとんどの人がそうだったと思う。

そう考えると、私が子どもの頃は、洗濯も週に2回程度だったと思う。小学校低学年頃の洗濯機はまだ、洗うだけですすぎや脱水機能がなく、洗った洗濯物を2つのゴム製のローラーの間に挟んでくるくる回して水気を取っていた。

日本とニュージーランドは違うなー、と思うことも多い。でも、少し前の日本と比べると、実はあまり違わないということもある。日本の時代が変わっているだけなのかもしれない。

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