飲酒検問
金曜日の夕方、ロトルアの街から郊外に向かって車を走らせていた。緩やかな下り坂に差し掛かったとき、前を走っていた車が突然スピードを落として停車した。
何かと思って先を見ると、3台のポリスカーが道路の中央に並んで停まって、7~8人の警察の人達が両方向の車の飲酒検問をやっていた。私の番が来て警察の人が、「名前と住所を言ってください」と検知器を差し出した。こんなときは全くお酒を飲んでいないにもかかわらずなぜか緊張する。名前と住所くらいさっと出てくるはずなのだが、「あれっ、住所はどこだったっけ」と一瞬考えてしまう。検知器に向かって名前と住所を言った後、WAITという表示が出てしばらく待たされるのだが、「全く飲んでいないにもかかわらず、ものすごい量のアルコールが検出されたらどうしよう」などと弱気なことが頭をかすめたりして、ドキドキする。
グリーンのライトがついて、「どうぞ行ってください」と警察官の人に言われたのだが、ふと見ると一人道路わきに誘導されて話を聞かれているドライバーもがいた。
金曜日の午後5時45分。日本なら飲酒検問をやっても効果が薄い時間だ。でも、ニュージーランドでは、この時間に検問を実施する。ニュージーランドの会社の中には、「金曜日の午後はのんびり仕事」というところも多く、中には金曜日の3時頃以降は、会社の冷蔵庫に置いてあるビールやワインをみんなで飲むところもあるようだ。
私も以前に金曜日の3時からのミーティングが終わった後、ある高校で、「みんなと一緒にスタッフ休憩室でビールでもどう?」と誘われたことがある。「えっ、ビール?」と言うと、「金曜日の夕方じゃあないか」と当たり前のように言われた。そのときはまだ仕事があったので丁重にお断りしたが、タイミングが合えば一緒に少し飲んでいたかもしれない。
毎日午後5時になると帰宅渋滞が始まる国、ニュージーランド。そして、金曜日の帰宅時に合わせて飲酒検問が行われる国、ニュージーランド。
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