赤ん坊が母国語を習得するように

ニュージーランドでは、こどもでも英語を話す。だから、英語を第2外国語として習得する時は、赤ん坊が母国語を習得するようにするのが一番いい方法だ、とも言われる。

確かに有効な方法かもしれない。では、生まれた赤ん坊が言葉を習得するまでには、どのようにしているのだろうか。
2歳の娘は、日本語で意思疎通がある程度できるくらいになっている。彼女が生まれた時は当然言葉は話せなかったが、この2年間で会話ができるようになった。その過程を注意しながら見ていた。

全く話せない時、親が話しかけてやると、じっと、話し手の「口元」を見ていた。耳で聞く音と口の動きを同時に感じているようだった。しばらくすると、親が話しかけた言葉を真似ようとするようになった。完全にはまねできないけれど、何度も何度も繰り返し真似をしていた。新しい言葉が出てきた時には、また、話し手の口元をじっと見てそれから自分でも言ってみる、というやりかたをしていた。

さらに時間が経った時、娘に向かって話しかけない言葉でも、親同士の会話の中から言葉をピックアップするようになってきた。耳で聞いた言葉を自分でも言えるようになった。でもその言葉の使い方は間違っていることも多かった。ただ、ピックアップした言葉を真似しているだけだった。

発音がおかしかったり、使い方が間違っている言葉を直してやると、特に恥ずかしそうにすることもなく、素直に繰り返していた。
何度も何度も、言葉を確認しながら、遊んでいるように繰り返す。

しばらくすると、それまでに覚えた言葉を組み合わせて、状況に応じて話をするようになってきた。間違っていることも多いが、なんとなく言いたいことが通じるまでになった。

今でも新しい歌を覚える時などは、歌っている人の口元をじっと見て、繰り返している。何回も飽きることなく繰り返している。

赤ん坊が母国語を習得するように英語を第2外国語として習得するすることが、有効な方法だとすれば、話し手の口元を見て聞くこと、まねをすること、何度も繰り返すこと、そして恥ずかしがらないこと、の4つがポイントだと思う。

大人になってから英語を学ぶと、どうしても頭で考えて理解しようとするし、恥ずかしさが先にたって思うように習得できないことも多い。こどもの言語習得過程を見ていると、まさに習うより慣れろ、を実践しているように思う。

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