ベンジャミン・バトン 数奇な人生
第81回アカデミー賞の発表が、ニュージーランド時間の2月23日月曜日に行われる。
作品賞にノミネートされている作品はどれも面白そうな映画ばかりで、機会があれば全て観てみたい。中でも、「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」は面白そうだ。日本では現在劇場公開されている。
20世紀初めに80歳で生まれて、そして若返っていく男の人生を描いた映画だ。ブラッド・ピットが主演し、アカデミー賞でも主演男優賞にノミネートされている。
ある程度歳を取ると多くの人がもう一度若返ってみたいと願うだろう。80歳で生まれて若返っていくというのは、とても魅力的に思える。これから先どんどん歳を取るのと、どんどん若くなるのとでは、未来に対する希望や明るさが決定的に異なるように思う。歳を取るということは、ある一定の年齢以上になると、体力などの能力が衰えていくことを意味する。ピークから下降線をたどる自分を見つめながら生きていくということだ。それに比べて、80歳からどんどん若返っていく人生は、体力などがどんどん向上していくということだ。それだけで将来いろんなことが出来る可能性を持っているように感じる。
ただ、映画の男性も、80年経てばゼロ歳になって、おそらく消えてなくなってしまうのだろう。それは、80歳で死んでしまう人生と、終着点だけを見れば全く同じだ。人生は、生まれた時から死に向かって進んでいるようなものだ、と言った人がいるが、ゼロ歳から歳をとるのと80歳から若返るのは、向かって行くところは全く同じだ。若返る人生のほうが、終着点がはっきりしているだけに残酷かもしれない。
また、人生は、右肩上がりよりも、ピークがあって下降線をたどる部分があるからこそ、面白いのだとも思う。これからどんどん若返っていくとなると、なんとなくうれしいかもしれないが、実際は「ちょっと待ってくれ」と思うだろう。もう若返るのは嫌だ、とまわりに訴えたくなるだろう。歳をとると言うことは、積み重ねると言うことだし、積み重ねるには、数字の上でも増えていかなければ実感がない。いうことをきかなくなった体を、覚えが悪くなった頭を、全てを引き受けながら歳を取っていくところに、面白さがあるのだと思う。そこで、あがいたり、挑戦したり、あきらめたり、逃げたり、知らないふりをしたり、他人と比べたり、うらやんだり、力を入れたり抜いたりしながら、一日一日を過ごしていく。そこが面白いのだと思う。
「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」一度観てみたい。
第81回アカデミー賞の発表が、ニュージーランド時間の2月23日月曜日に行われる。
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作品賞にノミネートされている作品はどれも面白そうな映画ばかりで、機会があれば全て観てみたい。中でも、「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」は面白そうだ。日本では現在劇場公開されている。
20世紀初めに80歳で生まれて、そして若返っていく男の人生を描いた映画だ。ブラッド・ピットが主演し、アカデミー賞でも主演男優賞にノミネートされている。
ある程度歳を取ると多くの人がもう一度若返ってみたいと願うだろう。80歳で生まれて若返っていくというのは、とても魅力的に思える。これから先どんどん歳を取るのと、どんどん若くなるのとでは、未来に対する希望や明るさが決定的に異なるように思う。歳を取るということは、ある一定の年齢以上になると、体力などの能力が衰えていくことを意味する。ピークから下降線をたどる自分を見つめながら生きていくということだ。それに比べて、80歳からどんどん若返っていく人生は、体力などがどんどん向上していくということだ。それだけで将来いろんなことが出来る可能性を持っているように感じる。
ただ、映画の男性も、80年経てばゼロ歳になって、おそらく消えてなくなってしまうのだろう。それは、80歳で死んでしまう人生と、終着点だけを見れば全く同じだ。人生は、生まれた時から死に向かって進んでいるようなものだ、と言った人がいるが、ゼロ歳から歳をとるのと80歳から若返るのは、向かって行くところは全く同じだ。若返る人生のほうが、終着点がはっきりしているだけに残酷かもしれない。
また、人生は、右肩上がりよりも、ピークがあって下降線をたどる部分があるからこそ、面白いのだとも思う。これからどんどん若返っていくとなると、なんとなくうれしいかもしれないが、実際は「ちょっと待ってくれ」と思うだろう。もう若返るのは嫌だ、とまわりに訴えたくなるだろう。歳をとると言うことは、積み重ねると言うことだし、積み重ねるには、数字の上でも増えていかなければ実感がない。いうことをきかなくなった体を、覚えが悪くなった頭を、全てを引き受けながら歳を取っていくところに、面白さがあるのだと思う。そこで、あがいたり、挑戦したり、あきらめたり、逃げたり、知らないふりをしたり、他人と比べたり、うらやんだり、力を入れたり抜いたりしながら、一日一日を過ごしていく。そこが面白いのだと思う。
「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」一度観てみたい。
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