それぞれのゴール
子どもの頃は日本の経済もどんどん成長していて、その成長はそのまま永久に続くものだとなんとなく思っていた。そして、日本の成長の前を走っているのは米国で、それに続く日本の後ろにもたくさんの国がついて来ていると思っていた。
だから、世界中の国や人たちは、米国を先頭にしてみんな一つのゴールを目指して同じ方向をに向かって成長していっているものだと、漠然と思っていた。
日本ではバブルが崩壊し、失われた10年も過ぎ、経済がどんどん成長していくなどということを信じている人は一人もいなくなった。また、全ての国や人々が米国の後を追っているなどということは全くないことも、当たり前のことだが、明らかだ。
そしてまた、それぞれの国や人々が、それぞれのゴールを設定してそれに向かって進んでいる、ということが、日本を離れてみてよくわかるようになった。
ニュージーランドに来た頃は、日本とニュージーランドの異なる点を指摘して、「ニュージーランドは遅れている」と感じたこともあった。つまり、時間が経てば、その異なる点も日本と同じようになるだろう、と考えていた。ニュージーランドに移住して14年。日本とニュージーランドの異なる点は異なったままだし、日本は日本の目指すべき方向に進もうとしており、ニュージーランドはニュージーランドの設定したゴールに向かって歩んでいる。異なる国の異なる人々は、異なる方向に向かって進んでいるのだ。
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