ニュージーランドで人生を考える
先日ロトルアの街で美容師のDさんに会った。彼は以前はロトルアで店を持っていたが、3年くらい前にタウランガに店を移した。
久しぶりに近況を聞くと、今はタウランガから車で30分ほど東に行った街、ファカタネの美容院で働いているという。「自分で店をやるのは少し疲れたから、今はスタッフとして他人の店で働いているんだ。」と言っていた。
彼はロトルアにいたときも、誰かの店で働いたり、また自分の店を出したり、そしてまた店を閉じてしばらくのんびりしていたり、そういう生活をしていた。美容師という手に職を持つ人だからこそできることなのかもしれないが、よく考えてみると、ニュージーランドでは一つのところでずっと働いている人のほうが少ない。会社も変わるし、働く街もどんどん変わる。30代、40代の人でも、仕事を辞めてしばらくのんびりしている、という人もいる。
そんなニュージーランドの人たちを見ていると、当たり前のことだが、ずっと一つの会社で学校を卒業してから定年まで働かなくてもいいのだ、ということに改めて気づく。そんなことができる社会の構造であることに加えて、ニュージーランドの人々の「自由」な考え方が、こういう社会を作っているのだろう。
Dさんは大きな家に住んでいるわけではないし、いい服を着ているわけではない。でも、週に1回はサッカークラブでプレーをしたり、夜はたまにバーに行ってポーカーをしたり、人生をすごく楽しんでいるように見える。
もちろんニュージーランドにも、休みを取らずに働いて他人よりも収入が多い人もいるし、Dさんのように「自由」な生活をしている人もいる。どんな生活、どんな人生にするのかは、それぞれの人が自分で選んでいる。当然希望通りの生活や人生を送っていない人も多いだろうが、目の前にいろんな選択肢があるということは、とても魅力的だ。
Dさんと少し話をして、人生について、また幸せについて、少し考えた。
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