ラグビー高校留学生が3年の留学を終えて帰国

ニュージーランドの高校は、NCEAという全国統一試験の主要科目もほぼ終わり、高校留学生達は日本に一時帰国する時期だ。Year11 やYear12 に在籍している学生は来年も引き続き留学するので、第一学期が始まる来年2月には遅くてもニュージーランドに戻ってくる。そして11月末頃までまた約10ヶ月間の留学生活が始まる。

一方、日本の高校3年生にあたるYear13 を修了した高校留学生で日本の大学に進学を希望している学生達は、この時期に日本に帰国すれば、もう高校留学生としてニュージーランドに戻ってくることはない。

先日もある高校留学生が、ロトルアでの3年間の高校留学を終えて、日本に帰国した。彼女は、日本の中学を卒業する年の1月からニュージーランドの高校に留学し、3年間同じホームステイに滞在して、ロトルアの高校に通っていた。私もエージェントとして、そしてガーディアンとして、彼女を3年間ずっと見守ってきた。性格はとても穏やかだがいつも元気一杯で、誰からも愛されるとても明るい学生だ。

3年間いろんなことがあった。1年目は英語もほとんどわからなくて授業にもなかなかついていけなかったが、ラグビー部に所属して、最初の試合で見事トライを決め、みんなの注目を一気に浴びた。そしてシーズンが終わる8月には、ベイオブプレンティ地域の高校女子代表にも選ばれ、11月のプライズギビングでは、ラグビー部のプレーヤーオブザイヤーとして学校で表彰もされた。その年日本の花園ラグビー場で年末に行われた、女子ラグビーセブンスの試合にも出場している。

2年目の一学期が始まってすぐはホームシックに悩んでいたようだ。同じく留学2年目の女子学生と一緒に助け合って克服したようだが、そんなつらい状況を、友達やステイ先、学校にはほとんど見せずに、いつも笑顔で生活をしていた。この年は、ニュージーランドでラグビー高校留学をする女子学生ということで、日本のテレビの取材を受けた。2年目の後半になると英語もうまくなって友達も増えて、ロトルアでの留学生活にすっかりなじんだ1年だった。

3年目の今年は雰囲気も大人っぽくなり、自分から積極的に留学生活をエンジョイしている様子がよくわかった。会うたびに「もう3年目だ。留学生活がすごく速く過ぎ去っていくのが寂しい」とよく言っていた。ラグビーのチームメイトを初めとしたニュージーランドの友達やホームステイファミリーと、英語で普通に会話をして遊んでいたのと同時に、日本からの留学生達からも慕われて仲良く遊んでいたのは、彼女がとてもバランス感覚に優れていたからだろう。

そして先日、帰国2日前に、ホームステイファミリーが彼女のためにフェアウェルパーティを開いてくれた。私達も家族で招待された。パーティはホストファザーの誕生日パーティも兼ねていたのだが、彼女のチームメイトや留学生を含めて40人ほどが集まった。

そのパーティで、ホストファザーが、みんなの前で彼女にとても温かい言葉をかけていた。「彼女は私たち家族の一員だ。別れるのはとても寂しいが、2019年のワールドカップには必ず日本に行くし、彼女が将来ラグビーの国際舞台で活躍すれば、必ず会場まで応援に行く。彼女は3年前は英語は全くできなかったけれど今は問題なくできる。ラグビーもよくがんばった。」また、ホストファザーは、彼女のためにギターを弾きながら歌も歌ってくれた。ホストマザーも、出発の日はとても寂しい日になる、とパーティのときから目に涙を浮かべていた。

パーティの最後に彼女から手紙をもらった。家に帰って読んでみると、丁寧な字でたくさんの言葉が書かれていた。それを読みながら、彼女は3年間本当に一生懸命がんばったんだな、と思うと、涙が出て止まらなかった。

帰国後彼女のご両親からも、丁寧なメールを頂いた。娘をニュージーランドに留学させて本当によかった。そして、キックオフNZ に出会えたことに感謝します。とうれしい言葉が書かれてあった。ありがとうございます。

以前にもこのブログでも書いたが、私たちができることはほんのわずかなことだ。3年間の高校留学をして本当によかった、と本人もご両親も感じているのは、留学生本人がよくがんばったからに他ならない。

これからの日本での人生も、ロトルアからいつまでも応援しています。また、会いましょう。

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