変化の時代に対処する力

最近、日本が沈みかけているとか、日本はもうだめだとか、そういう言葉を目にすることが以前よりも増えたような気がする。それは、インターネット上の情報でもそうだし、日本に住んでいる友達や先輩の話の中にも出てくる。

でも、ニュージーランドから日本を見ていると、日本がどんどん沈んでいっているとか、日本がだめになっていっているという感じはしない。確かに、バブル経済真っ盛りのときのように、右肩上がりで行け行けドンドンという印象はないが、ニュージーランドと比べると日本は、人々に経済的な余裕もあるし、便利で、治安もよく、サービスも世界一のレベルだ。ものすごく調子がよかった時代には及ばないのかもしれないが、プレーステーションやウィーを生み、東京ディズニーランドがあって、世界の最新のものが手に入るのに加えて、長い歴史と文化も感じさせる日本は、ニュージーランドの人々にとっては、まだまだ憧れの国だ。

だから、日本は下り坂を転がり落ちているわけでは決してない。でも、過去10年くらいと比較すると、確実に変化の速度は上がっているように思う。そして、その変化の先に何があるのかがまだよくわからないことが、人々に不安を与えているようにも感じる。

その変化はおそらく2012年も引き続き続くだろうし、その速度も増していくのかもしれない。今年は世界の政治に大きな変化があるのに加えて、日本の政治にも大きな変化があるかもしれないし、経済も日本の内側と外側両方からの力で変わるかもしれない。それらが組み合わさって起こり、その先に混乱も予想される。

だから、これからの日本を生きていく若い人達は、その変化や混乱の中で生きていく力をつける必要があるだろう。それは、今までのやり方をそのまま踏襲するだけではおそらく対処できない。新しい発想と強い行動力、そして柔軟な思考力が必要だ。それらの力を身につけるためには、今までのように、「他の人がやっているから」という理由で自分の選択肢を選ぶ、という方法ではなく、誰が何をやっていようが、自分で考えて、自分の意志で決定する、という方法を取ることが大切だ。

そういう力や方法を、日本の学校の学習や経験から得られれば、それは最もいいだろう。でも、大きくそして速く変化していく社会の中で、学校がそれらにきちんと対応していくことを期待するのは、難しいかもしれない。

どうすれば、大きく早く変化する社会の中で、新しい発想や強い行動力、柔軟な思考を使って、自分の頭で考えて決定する力を身につけることができるのだろうか。中学高校留学も一つの方法だろう。大学を休学して世界を見て回るのもいいかもしれない。海外の大学や大学院で勉強や研究を続ける方法もあるだろう。あるいは、日本の中にいて、同じような考えを持つ人達と連携するのもいいかもしれない。

いずれにしても、周りの人がやっていることを見て同じことをすればいいとか、今までやってきたことをそのまま踏襲すればそれでいい、という時代は終わったことを自覚して、新しい変化の時代に対処する力と方法について考えるときが、日本の若い人達にはきていると思う。

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