英語を勉強できるのは幸せだと思う

私がニュージーランドに移住してきたときは、すぐに仕事を始めなければならない状況だった。海外で暮らすことも初めてだったし、仕事も初めてのジャンルだったし、知り合いや友達もいなかったし、情報もなかったし、そして何よりも英語力がなかった。やるべきことが山のようにあった。

体力的にも精神的にもきつく、目の前のやるべきことをこなすので精一杯だった。しばらくして、生活、仕事、英語のうちどうしても1つを後回しにしなければやっていけない、と感じた。ニュージーランドで暮らして仕事をするのだから、生活も仕事も英語も当然切り離すことはできないのだけれど、どう考えても3つを同時に毎日毎日こなす能力が自分にはないと、限界を感じた。何日か真剣に考えた挙句、英語力を伸ばす、ということは、とりあえず後回しにしよう、という結論に達した。生活は絶対にしていかなければならないし、仕事のスキルも絶対に身につけなければならなかったので、英語力の重要性はわかっていたけれど、その当時の自分のキャパシティを考えると、英語力向上まで手を回すことができなかったのだ。

だから移住してしばらくすると、生活には慣れて楽しくなってきたし、仕事のスキルもどんどん向上したけれど、英語力がなかなか伸びない、という状況だった。でも、毎日の仕事はどんどん忙しくなるし、改めて英語を勉強する時間を取ることは、当時はできなかった。だから、移住して1年くらいたっても英語力は、移住してきた当時と比べると、少し聞き取りができるようになったかな、という程度だったと思う。

だから、語学学校や高校で留学をしている学生を見ていると、とてもうらやましい。なぜなら、彼ら彼女らは、毎日毎日きちんとプロの先生に英語を教えてもらう時間があるからだ。それも、文法や語彙、読み書きだけではなく、発音や聞き取りなどもきちんと学ぶことができるし、わからない部分があればいつでも先生に聞いて理解することができる。目の前の仕事をしなければ収入がないという状況でもなく、新しいスキルを身につける必要もなく、英語の勉強の時間を思う存分確保できる環境だ。自分の生活を確立しなければならないと同時に大量の仕事をこなさなければならなかった移住当時の私自身と比べると、それがとてもうらやましい。

だから、語学留学生も高校留学生も、そのすばらしく幸せな、英語を勉強する環境を大切にしてほしいと思う。1日1日の英語の勉強、1時間1時間の英語の授業が受けられる環境を最大限に有効に使ってほしいと思う。そうすれば、必ず英語力は伸びるし、きちんとした英語を自在に使ってコミュニケーションが取れるようになると思う。

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